77 tipToe. 6th ONEMAN「Colorful」ライブレポート&感想

先に書いておくと、あまり伝わらないかもしれないが、今日のtipToe.は過去に観た様々なライブの中で、もしかしたら一番素晴らしい公演を観ることができたのかもしれない。

良いライブの条件として自分が考えているもののひとつに「未来を魅せてくれるかどうか」というものがある。
その点から言えば、今回渋谷クラブクアトロで行われたtipToe. 6th ONEMAN「Colorful」は非の打ち所のないパーフェクトなもので、100点中300点など優に超え、青天井で加算され続ける、そんなライブだった。

 

灯りが落ちる。流れだすピアノの演奏にバンドの音が重なってゆくトラック。照明の移り変わりと共に紗幕に転々と映されるメンバーのシルエット。否応なく高まる期待、興奮。
新曲?いや、時間が進むにつれ徐々にわかる、「The Curtain Rises」だ。
読みという名の期待に応えるように聴き覚えのあるピアノのフレーズとオーケストラル・ヒット。
臙脂色が鮮烈になロングスカートの新衣装を身に纏い登場するメンバー。
「幕開け」を意味するオープニングナンバーが、新たなイントロダクションを伴ってフロアを熱狂の渦に叩き込んだ。

間髪入れずに「ハートビート」、空気を変えてダンサンブルな「ソーダフロート気分」が続くと、スクラッチのサンプリングから「ハッピーフレーバー」「ビギナー」と続け、さらに今度こそ新曲?と思わせる耳馴染みのないトラックに沸き上がるオタクと、それを見てか笑みがこぼれるメンバー。はじまったのは「The Curtain Rises」同様イントロを追加される形となった「ひとりごと」で、既存曲ではあったものの人気曲の思わぬ導入での登場に一際大きな歓声が上がった。

6曲をノンストップで駆け抜けた冒頭ブロックで、既存曲の新しい導入を3パターンも繰り出してくるサプライズ。バンドならよくある''ライブアレンジ''を、オケスタイルでありながら当たり前のように入れてくるのがめちゃくちゃ熱い。「いや、逆になんでどこもこういうことやらないの?」と言わんばかりに、当然のようにこういう演出を入れてくるのがtipToe.だ。繋ぎのライブアレンジは過去にもいくつか登場しているが、今回のライブはこのテの演出がふんだんに盛り込まれている。

新しいインタールードが多数登場したのも印象的だ。中盤ブロックではアルバム「daydream」において回想に位置付けられる「秘密」から夕暮れへ向かい、さらに夜編へと続くtipToe.楽曲の主人公のストーリーを正当になぞったメニューが組まれている。
MC明けに披露されたのは「秘密」「クリームソーダのゆううつ」「茜」の恋愛三部作。「茜」の終盤から夕に鳴く蝉の声が響きだし、「アフターグロウ」へ景色と時間を繋いでゆく。
メンバーがステージから退場すると、この日のライブのために用意されたという球体や棒状のライティングが淡い青色に染まり、夜の訪れを告げる。

ステージに一人現れた三原海に微かな灯りが零れる。かつてソロリーディング演目として披露され、後に伴奏を伴って音源化に至った「はやく夜が明けて、おはよう。が言いたい。」を粛々と演じる。
途中、声が詰まる。後のMCで「感極まって飛ばしてしまった」と明かしており、事実終盤は感極まって嗚咽が漏れていたが、詩のフレーズも相俟ってそれがなおさらこの演目の内省的な独白の世界への没入感を深めており、もはや節を飛ばしてしまったことになど気が付くはずもなく、蒼い闇が染め上げる世界に瞬く間に惹き込まれていった。

心が落ち沈む部屋の夜闇に、月光が差し込むようなピアノのフレーズがやわらかに一音ずつ響き渡る。それはまるで気まぐれな運命が救いの手を差し伸べるかのように。
「blue moon.」はただ1曲でその空間の世界観を支配する力を持った楽曲で、「はやく~」はアルバム「daydream」にてその導入、そして「アフターグロウ」までの物語から繋ぐ役割を担い夜編の冒頭に加えられた演目であると言える。
上述の三原海の情感溢れ零れるパフォーマンスが、「blue moon.」が描き出す宵夢の世界をより深淵に引き立てており、今宵の「夜」はこれまでで最も美しい光景を映し出していた。

「星降る夜、君とダンスを」にサンプリングされている時計の音を用いたインタールードが流れる。眠りに沈む主人公の傍らで淡々と時を刻む針の音が、時間を伴って物語の階段を登ってゆく。
すこし不思議な夜の邂逅を紡ぐ都塚寧々のリーディング演目「砂糖の夜に」、続く「ナイトウォーク」で夜空が眩しく晴れ渡るようなカタルシスは元より胸が空くような気持ちになるのだが、やはりここまでも含めて今宵の夜編は格別と言うほかない。
しかし驚いたのはその次だ。この夜編の終わりに鳴り出したのは、「茜」を思わせる激情を纏ったギターサウンドが疾走感と共にうねり轟く新曲「silent sign」だ。落ちサビをソロで務める椋本真叶が初めて単独で振付を手掛けた楽曲となる。
tipToe.が描き続けてきた物語に、新たなサウンドと共に加えられた次の1ページに、そして恋愛三部作~夜編で積み上げられた感情を巻き上げる嵐のように吹き抜けたこの新曲に、フロアは大いに湧き上がった。

シアトリカルな中核ブロックを終え、終盤戦のゴングを鳴らしたのはワンマン以外ではなかなか披露されない''はじまり''の曲「特別じゃない私の物語」。
ハイハットのカウントを付け加えてバンドライクに「かすみ草の花束を」に繋げる演出は5th ONE MAN
「Pinky Promise」の再現だ。
この流れに更なる新曲「夏祭りの待ち合わせ」が叩き込まれる。被せなしのア・カペラ&コーラスワークからはじまるこの曲はアッパーなザ・アイドルポップで、フロアの全員が初見にも関わらず、最初のイントロから息のあったMIXやコールを叫び倒していた。カラフルに彩られた照明演出もありとても楽しげな曲で、落ちサビはグループ内でも夏祭りの高揚感が似合う……というかそのものである日野あみが歌い上げた。大型アイドルフェスへの出演を控えたこの時期に、アイドルオタクならどこの現場の人でも簡単にビートの文脈を拾ってコールを入れられるこの楽曲の登場は、近い未来の素敵な光景を想って胸が高鳴った。
ライブはさらに続き、昨年渋谷WWWで行われた「Our blue moment.」で披露された「Cider Aquarium」~「僕たちは息をする」のメドレーver.が登場。「Cider Aquarium」の初披露時の演出で、以降もたびたび使われる定番の演出で、先の「特別じゃない私の物語」~「かすみ草の花束を」と共に通っているファンにも嬉しいリバイバルだ。
しかし今回はそれだけでは終わらない。「僕たちは息をする」のアウトロからノンストップで鳴り響いたトラックは「星降る夜、君とダンスを」の新しいイントロ。カラフルなペンライトと共にオーディエンスは跳ね回り、フロアの熱は最高潮に到達した。

ファンがサプライズで用意したサイリウムや、グッズとして新登場したオリジナルペンライトが揺らめく光の海に、アンコールを求める声が感情のままに響く。
呼び込まれたメンバーが登場すると、眼前に広がる光景に驚きつつ、ファンに向けて一人一人感謝の言葉を語った。

最後に披露されたのは、締めの定番「夢日和」。熱量と多幸感に満たされたフロアとメンバーはこの楽曲で大団円を迎え、およそ2時間に渡るステージに幕を下ろした。
持ち曲のすべてに新曲2曲を加えた全22曲を披露。サウンド面の新たな演出が多数盛り込まれ、曲数も過去最多となり、新鮮な驚きとエモーショナルが常に注がれ続ける刺激的で幸福なライブだった。それでも体感は実際より短く感じられ、どれほど充実した時間を過ごしていたのか実感する。


今回特筆すべき点は、多数の新演出が施された曲の導入部、そして''現体制以降''を担う2人が主役と言わんばかりの2曲の新曲だろう。

大々的にイントロが追加されていた3極は下記セットリストに「''Colorful'' ver.」と仮に記した。今回のワンマンのために製作されたトラックだと思われるが、「ソーダフロート気分」~「ハッピーフレーバー」のような繋ぎも含め、今後のライブでも演出のバリエーションとしての登場が期待できるだろう。新規インタールードトラックの多数起用もあり、従来の演出に加え今回の演出の再提示、そしてまた新たな演出で過去の曲たちも生まれ変わり続けることを示唆しているようで、これからのtipToe.に対する期待感を両手でも余るほど大きく膨らませてくれるものだった。
同時にバンドがライブ用にアレンジする時のような導入追加が多々見られ、オケライブ(身も蓋もない言い方をすれば''カラオケ'')が主流のライブアイドル全般に対する挑戦とアンチテーゼのようにも感じられる。あるいはバンドというスタイルの活動に対しても。

そして新曲だ。主役は''ピノムック''コンビで知られる2人である。
2人は先日、グループ加入2周年を記念し、「ピノムック」名義でセルフプロデュース・ワンマンライブを行った。
その際に披露されたtipToe.楽曲でも感じられたことだが、''現体制以降''グループを引っ張る2人が主役を張る新曲たちでもまた、ピノムックワンマン同様頼もしい未来を堂々と魅せつけてくれた。
初期メンに推しがいる自分としては寂しい気持ちも否定はできないのだが、同時にこの2人の頼もしさには新たなワクワクを感じているし、グループが新たなフェーズに突入したことを確信し、現体制の残り5ヶ月の活動もますます楽しみになった。


この夏はTIF、@JAMと大型フェスへの出演も決まっており、ほどなくして訪れる10月には今回の渋谷クラブクアトロをも超える過去最大キャパシティでのワンマンライブ(会場は新オープンのVeats Shibuya)が開催される。
もはや明かりのない未来を振り払うようなステージにはいない。眩い灯りに照らされた未来への道を全速力で駆け抜けてゆく姿しか見えてこない。ただそれに、愚直に、ピュアに、ついていこうと思う。


これほどまでに良いライブを、音楽を、心ゆくまで堪能できる時間なんて、人生でどれくらいあるだろうか?そう思わずにはいられなかった。
「いや…わりとあるよ笑」なんて言う人もいるかもしれない。ていうかいる。そんな反論、億も承知の上で言っているのだ。
最高最高と誰もが折に触れ感じ口にする中で、その中でも最上の「最高中の最高、極み」を「EPIC」という単語に意味付けたシンガーがいる。
tipToe.の今回のワンマンライブは、まさに「EPIC」と、そう表現するほかない極上のステージだった。
……でもまだまだこれよりもっとすごいものが観られるって確信しちゃったから、それもどうなのかな。また新しい言葉を探せばいいか。


最後に、ライブ終了後、素直に零れた感想を書いて記事を終える。

正直な話、こんなにカッコいいライブをするグループを応援している自分が誇らしくなりました。
胸を張って「tipToe.のファンです!」と言える。好きなものがいくつあったって、当たり前のことじゃないんですこれは。
そんな幸せを噛み締めつつ、今日は眠りに就こうと思います。

 

 

 

◆セットリスト◆

 

1.The Curtain Rises(''Colorful'' ver.)
2.ハートビート
3.ソーダフロート気分 
4.ハッピーフレーバー
5.ビギナー
6.ひとりごと(''Colorful'' ver.)
MC
7.秘密
8.クリームソーダのゆううつ
Interlude I
9.茜
10.アフターグロウ
Interlude II
11.はやく夜が明けて、おはよう。が言いたい。
12.blue moon.
Interlude III
13.砂糖の夜に
14.ナイトウォーク
15.silent sign
MC
16.特別じゃない私の物語
17.かすみ草の花束を
18.夏祭りの待ち合わせ
19.Cider Aquarium
20.僕たちは息をする
21.星降る夜、君とダンスを(''Colorful'' ver.)

En.夢日和

 

※バージョン違いやInterludeの表記は筆者独自のものです。公式表記ではありませんのでご注意ください。

 

 

 

 

 

 

76 「天気の子」の感想を書く(ネタバレなし)

5ヶ月ぶりのブログになってしまった。

正直長文を書くようなことがなかっただけなのだけど、前の記事がそれなりに不穏だったので妙な感じになってしまっているかもしれない。

 

今日は休みだったのに間違えて出社してしまって、追い返されて「天気の子」。

インスタにちょろっとした感想書こうとしたらうっかり長文になってしまって、ここにも載せておくかという感じ。ブログにしてみるとそんな長文というわけでもない。

 

「天気の子」は、たった1人のわがままで世界を大きく変えてしまっても、別にいい。そんなことを、語弊を恐れず言うなら''暴力的''に描いている。

 

物語の中で「お前、どんなに気持ちが強くて綺麗でも、それをやったら肯定してやれねえよ」ということを、主人公・帆高はしてしまう。

運命に恵まれなかったとか、人生レベルで運が悪い人、とも言えるし、因果応報とも言える。人によっては強い嫌悪感を示すだろうし、クソ野郎だと罵り胸に重いものを溜めてしまう人、激昂する人、悲しくなってしまう人もいると思う。仕方ない、これはそういう話。

 

映像表現の素晴らしさは、アニメーションの世界は年々進化してて本当に凄まじいなと思う。
数え切れないほどのタイアップの功もあって現実世界の物物が怒涛の勢いで登場するんだけど、東京にいる人間なら知ってる景色ばかりだし、それをアニメーションでリアリティを追求した上で描くというのは、もうこれは、もはや新海誠はドMと言ってもいいんじゃないだろうか。。

とはいえ現実と軽率に比較されても、「よくできてるなぁ」なんて思う暇もないほど丁寧で精密だった。当たり前だけどこれは後書きの感想だからこういうことを言える。作画スタッフの探究心もまた壮絶の域。

そしてそんな表現を可能にしたからこそ、そんな壮大な美景を描き出せるからこそ、ミクロを突き詰めたエゴを物語として乗せることに意義があるのだと思う。

 

攻めたな、なんて言うのは野暮すぎる。
正直、ここまでやらないと伝わらないテーマなのかもしれない。きっとそうだ。極端なくらいやってようやくちょっと染みる。表現の、表現する側にとっての残酷ってそういうものだと思う。だからか、あるいはだからこその、最大限の力を込めての真っ向勝負。最後の最後は殴り合い。
「君の名は。」もそうだった。究極的に密度を高められた、たったひとつの願い、あるいは想い。

 

エンドロール、夥しい数のキャスト・スタッフ・企業の名前が羅列される。そのすべてがこの物語のために動いてきて、スクリーンに乗り、作品として結実する。その一点に万雷の拍手を送りたいと思うのです。たった1人のエゴの物語ために結集された総ての力に。

 

昔の職場が描かれていてハッとしました。

この作品におあつらえ向きの場所で働いてたんです。

75 自殺の止め方はわからない

やってみてわかったけど少なくとも誰かが自殺しようとしてるとき、止めることはめちゃくちゃ難しいのだとわかった。よくわかった。

当たり前のように連絡がとりあえる時代。SNSをはじめLINE、メール、なんでもある。自分の状況を伝える手段には事欠かない。自殺しそうな人ってサインを残すものだと思う。最後の最後に気付いてほしいんだと思う。

なにに気付いてほしいのか、それはその人についてのことであればなんでもいい。死のうとしてることじゃなくたっていい。そうなるまで誰にも気付いてもらえなかった寂しさの蓄積というのがまずある。だから気付いてほしくてサインを残す。

気付いてもらってどうするのかは知らない。それで満たされて本当に悔いがなくなる人もいるかもしれないし、本当は未遂で終わりたいと心の片隅で願いながら首に縄をかける人だっていると思う。少なくとも最初から「死のう!」って思って生まれてきたり生きる人はいない。
生まれたての子供が笑うのは親や他の人間の警戒心を解くためだ。仕事で帰りが遅い父親ほど赤ちゃんが笑ってくれるのは、実のところまだ父親に対して安心できていないからだという。だから出生即生存本能発動、みたいな感じ。死ぬ気ゼロにもほどがあるのが人間本来のスタイルである。

でも人間は自殺することがある。ざっくり調べたら、アフガニスタンの内戦による年間死者数と日本の年間自殺者数はほぼ同じだった。普通に殺し合いである。なんなら精神的に追い詰めて自死させるなんて悪質極まりない。そしてこれをやる側はまったく意図していない。当たり前に生きてるだけで人を追い詰める人が少なからずいる。ヒトラーが今の日本を見たらきっと応用すると思う。

自殺する人間の心理は、完全に諦観に突入している。楽しみにしていたことだとか、家族や友達や職場に迷惑をかけるとか、そういうものが一切合切「あ、もう大丈夫です」となる。取り付く島もないとはまさにこのこと。心は枯れきって、未練すら入り込む余地はなくなっている。
他人に迷惑をかけることも厭わない。「ごめんね」で終わり。他人に迷惑をかけたところで死んだら関係ないし、それが気になるような人はなんだかんだで死ねないだろう。そんなのやり切れないからだ。身辺整理のタスクは半端じゃない。神経質の程度にもよるかもしれないが。

そうなってしまった人に対して、「生きて」とか「死なないで」とか言ってもおそらく効果はそんなにない。「ごめん、無理だわ笑」って、本当にそんなノリだ。自分の場合は。たぶんその人の抱える問題に関わる人類を皆殺しにでもしないと思いとどまってはくれないだろう。

ここまで書いて、知り合いに教えてもらったとある人のブログを読んだ。その人も同じようにドアノブで首を吊ろうとしたけど、結局怖くなり疲れてしまいやめたのだという。そこに綴られていた体の感覚はだいたい同じだった。しばらく首に感覚が残る。数日経っても、なんなら消えないのかもしれない。
その人は自分に対してあまりにストイックであるように見えた。それゆえの自己嫌悪が張り詰めて自殺に向かうパターンだろうかと思った。

自分はといえば、死なないでいられるように自分を甘やかすための努力をしていたりする。自殺しないために心掛けていることがいくつもある。だから自己嫌悪ベースでの自殺は自分はたぶん生涯しないでいられる。
こちらは外的要因に精神を追い詰められていた。逃げ道を塞がれ、数少ない心の拠り所をすべて奪い取られ、死んだほうがマシな生活を強要させられそうになっていた。なによりそれをしてきたのが一番身近な家族で、完全に心の逃げ場がなかった。袋小路で潰されている風船だ。

自殺は基本孤独に行われる。目の前にいる人が死のうとしてるのを止めないのは犯罪だし、そもそもそんな建前がなくたって他人は基本的に止めてくれる。だから独りでやる。自殺を止める方法があるとすれば、めちゃくちゃ早く異常に気付いて直接対面で止める。それしかない。遠くにいながら人を救うのはほぼ無理と言っていい。絶対無理でもないが、すごく難しい。

意識が飛びそうになった瞬間、その後の世界は完全に無だと悟った。寝ている間の意識がない状態、あのまま。だから残った世界のことをなにひとつ確認する術がない。会ったら迷いなく逝ってたはずだ。家族に返したLINEが未読のままだったのと、首に縄をかけたまま受けていた恋愛相談が気が気じゃないやつだったからやめられたのかもしれない。手元のことを一通りやり終えて、あとはもう部屋を出るだけ、ってくらい片付いてたらサクッと死んでいただろうなぁと思う。

とりあえずまだなにも問題は解決していないし、自殺モードのスイッチには手がかかったままだ。感覚は掴めたから次はもう失敗しない、確実にやれる。そんな状態。
死なないために今のところできることといえば、この自殺未遂をネタにしてフィクションに近づけてしまうことくらいだろうか。残り続ける絶対的な事実だけど。

74 tipToe. 5th ONEMAN「Pinky Promise」

tipToe. 5th ONEMAN
「Pinky Promise」
2019.2.17 at 梅田CLUB QUATTRO

SET LIST

1.The Curtain Rises
MC
2.秘密
3.クリームソーダのゆううつ
4.茜
MC
5.ナイトウォーク
6.blue moon.
❮Interlude I❯
8.ハートビート
9.僕たちは息をする
MC
10.特別じゃない私の物語
11.かすみ草の花束を
12.Cider Aquarium~❮Interlude II❯
13.星降る夜、君とダンスを(Remix)

En.夢日和


※公式掲載のセトリにアンコール追記と補完目的での便宜的な表記修正をしています。


本来の1曲目は「特別じゃない私の物語」だったそうです。大きいワンマンでは恒例になってましたね。
そこを今回メンバー発案で「The Curtain Rises」にしたとのこと。まさに''幕開け''なタイトルのこの曲でライブをスタートさせるのっていつかあるだろなとは思ってたんですが、この新鮮さは振り返れば今回のライブにぴったりでした。tipってこういう曲からはじめることあんまりない気がします。
これ本当に火柱とか出せないんですかね。大ハコでやって、ステージのバックとかに。tipが持つ熱量を塊にして具現化したような曲、めちゃくちゃ熱いです。

MCで自己紹介をすると、次のブロックは「秘密」からスタート。海ちゃんとゆゆちゃんが背中合わせで歌うところが椋本生誕と左右逆になってた気がするんですが、生誕でゆゆちゃんが笑っちゃってたように見えたのはそのへんの理由かな?
楽しさと胸キュンがこれでもかというくらい詰め込まれた「秘密」からの「クリームソーダのゆううつ」ってもう甘酸っぱさと切なさで胸が破裂しそうになりますよね。もはやギュンギュン来ますねこの流れは。「クリームソーダのゆううつ」はなんか久々に観た気がするんですが、イントロのゆらゆらする振付の海ちゃんのグルーヴがより洗練されててこのまま夕陽に溶けそうなくらい好きでした。

そんな夕陽の色を感じさせながらも、夕闇の訪れに胸が詰まりそうになる「茜」が続きます。前2曲からのこの流れは片想いジェットコースター下りっぱなしみたいで心臓破裂しますね。実際そんなストーリーではないかもしれないので「茜」の歌詞を早く読んでみたいところです。
会場の梅田クラブクアトロがとにかく音が良くて、オケと歌の音像がめちゃくちゃ綺麗だったんですね。そんな中で聴くつみちゃんのBメロは本当に凄まじかったです。生バンドのO-WESTが一番壮絶だったのですが、オケバックでもこれをぶちかませるのはさすがですね。
別のハコで聴いてるときはユニゾンをぶれさせてる感じがしてなかなか面白いなと思ってたんですが、今日の音で聴くとわりと綺麗に揃えていてまた印象が違いました。これなんだろうなー?ってところで感情的な歌を意識してるようにも思えたので、ディレクションがどうなっているのか興味深いところです。

MCを挟んでの「ナイトウォーク」。thirdShoes.衣装でやるのがやっぱり一番良いと思います。
毎度感じますけど、照明演出が秀逸ですよね。乱れた心を夜道を歩いて整理していくっていう(なんだか風情のない書き方になってしまった…)、そういう曲だと思うんですけど、ラストサビの主人公が前を向いて歩き出す、ってタイミングで照明がバーッて明るくなるんですね。そこでメンバーも全員ステージのツラに出てきて歌うっていう解放感とカタルシス。
それで最後の最後、「信号が青に変わるよ」の瞬間に''夜''の照明に戻るんです。でもそれまでの''夜''の表現とは違って、澄んだように美しい夜の帷に見えるんですよ。そしてこれ何百回も言ってるんですが、この瞬間、振り返って背を向ける刹那のつみちゃんの瞳に入るキャッチライトが本当に綺麗で、あれ毎回絶対に見逃さないようにしてるんですが、その光を伴って夜闇に踏み出していく姿がこの楽曲の世界観をパーフェクトに結んでいるんですよね。その時点で先に背を向けているメンバー達もそれぞれの''ナイトウォーク''をしてきた一人一人なんじゃないかな、って思うんです。彼女の歌であり、自分自身の歌であり、あなたの歌であるような。これ本当に名曲ですね。

続く「blue moon.」。冒頭のピアノソロに乗せた海ちゃんのバレエダンス、三つの照明が海ちゃんを追うようにステージを照らしていきます。EPのオープニングを飾る曲で、この部分だけで一気に空気が変わりますね。温度や湿度までハリッとしてくるようなパートで(なんだその擬音は)、海ちゃんの美しさを贅沢に堪能できる時間です。
「ナイトウォーク」の次にこれ、な場合は個人的にはあまり物語の連続性を感じないのですが、それぞれの曲に独立したドラマを表現できるパワーがあるので、2本立てのストーリーを観たような感覚です。言ったことなかった気がしますが、曲が進むにつれ変わっていくリズムパターンがすごく好きなんですよね。

曲が終わると、余韻を残したままメンバーが退場。ピアノインストと雑踏の音、シンプルな照明の変化で街の景色や時間の移ろいを感じさせます。けっこう長いので疲れてたりすると眠くなりがちな演出ですが(O-WESTでのこれは実を言うとちょっと眠くなってまして…)、今回はすっきりした気持ちで聴いていました。照明の場面転換も合わせて2曲?のように聴こえましたが制作サイド的には1曲カウントらしく、その後半が初出しの「ハートビート」ピアノインストver.で、最新の衣装に着替えたメンバーが登場すると密やかに高まった期待に応えるように静寂を優しく切り裂く「ハートビート」がスタート。イントロのギターリフのトリル奏法っぽい出音がたまらないですね。普通にフルピッキングなのかな。(弾けない人なのでどっちかは知らない) 梅田クアトロの素晴らしい音で聴くまなかちゃんの落ちサビもまた絶品ですよね。そしてアウトロが切れるのを待たずに「僕たちは息をする」の鮮烈なピアノフレーズが響き渡ります。この繋ぎ本当に美しいなぁ、と思いました。どちらも疾走感溢れる曲ですが、同時に綺麗な曲でもあって、なんて良い繋ぎ方をしてくれるんだ……と。初期にやっていた可能性のある取り合わせではありますよね。単純に「magic hour」のサウンド感による相性の良さなんかもあって。とはいえ「Cider Aquarium」からの繋ぎが多い曲なのでむしろ新鮮でした。

「僕たちは息をする」はピアノリフの裏で鳴ってるギターリフがものすごくノれるやつで、わりと他の曲にも登場するパターンのリフなのですが、とにかく縦ノリで高まってしまいます。そしてtipを知ったときタイトルに一番ズギューンと来たのがこれで、呼吸を手繰り求めるような振付は見てるだけで肉体が同調してしまい、そのどちらもがメンバーによるものだっていうのがtipToe.というグループへの好きを決定的なものにしてくれたところがありますね。
メンバーのスキルも上がってきてサビなんかはユニゾンに厚みが増しダンスのグルーヴ感も凄まじくて本当に見応えがありました。つい下手なフリコピしてしまうのでそこまで観れてないんじゃないかと言われると否定できない部分もありますけども、、、でも本当に着実に力を増している曲だと思います。

前乗りUSJ組からのお土産でみんなでお揃いのミニオンのピアスをしてステージに登場したそうです。目悪いから見えなかったけど!そしてチェキ会で見せてもらうのも忘れてました。
しかしほんと君ら仲良いなー!生誕ライブだと誕生日メンバーに他のメンバーがめっちゃ絡みに行くのが最高に微笑ましいのです。メンバー仲の良さに嘘っぽさが全然ないので、見てるだけでこっちまでニッコリしてしまいますね。tipの良さのキモのひとつはこれだと思ってます。

終盤戦のスタートには「特別じゃない私の物語」。最初にやらなかったので今日は聴けないかな?と思っていて、これは嬉しい誤算でした。新しめの曲が前半に固まってるなかで「magic hour」のハッピーな空気感でまとまった曲群をこの終盤戦に入れるのは''どんな表情でも勝負できる''感があって胸が熱くなりました。帰り道音源を聴いていて、やっぱりこれもメンバーと共に大きく成長した曲だなと感じた次第です。
サビがフリコピしやすいししたくなる絶妙な難易度の振付で、一緒にやってるとなんだか暖かい気持ちになってきます。寧々ちゃんのちょこんとした感じでこれ踊ってるのすごく可愛いですよね。
ここからの流れがすごく良くできたので、1曲目が本来の予定通りこれだったら終盤の構成自体がもう少し変わってたかもですね。真偽のほどはメンバーとPのみぞ知る。

アウトロでカウントが入って「かすみ草の花束を」へ。ん?原曲にはない音?繋ぎがめっちゃバンドっぽいー!バックバンドがいるかのような錯覚を感じました。
サビ前の指揮とかサビのハイトーン部分を海ちゃんが独占しているという水色焚くならこれしかねえ!みたいなところがある曲です。あとラストサビ頭にのオールスター揃った感いいですよね。伝われ。

間髪入れずに「Cider Aquarium」へ。ゆゆちゃんの歌声がべらぼうに冴え渡る曲。振付もめちゃくちゃ立体感あって見応えがありますよね。ラストサビ直前の指パッチンからの照明演出がパーフェクトでもはや感動的でした。
いつもはアウトロが短めに編集されているものの、今回は聴きなれないリズムトラックと共に音源だけで確認できるフレーズがしっかり鳴っていて、しかもそれがエクステンドでひたすら続くという意表を突くアレンジ。パーティー感がハンパない感じになったフロアをメンバーが煽りまくり、トラックもどんどん加速していく。一番高まったところではじまったのが「星降る夜、君とダンスを」。
日野あみの歌い出しではじまるの、多幸感すごくていいですよね。推しならずともオレンジを、できればUOを焚きたくなります。この冒頭歌い出しのバッキングがアレンジされていて、全体的にもちょっとユーロビートを混ぜたようなサウンドだった気がします。なので一応(Remix)としているんですがどうなのでしょう?ともあれ踊りに踊ってからのこの曲で沸き上がる感じは最高に高まりました。バンドだとコール&レスポンスタイムみたいなの挟むことがありますが、オケ主体のアイドルだとなかなかこういう''盛り上げるためのインタールード''ってないですよね。こんなことまでやってくれるのもまたtipの面白さです。

アンコールはやっぱり夢日和で大団円。盛り上がりましたねぇ。やはり頭一つ抜けたなにかのある曲だと思います。逆にロングセットの中盤とかだと入れにくいのかも?ちなみにこのギターの感じはなかなかファンキーでスティーヴィー・サラスあたりが弾いてそうな気がしますね。
2番Aメロで歌パート変わってるのに「いやいやいやいやいやいやいやいやおーれーの!」ってなにが「いやいやいやいやいやいやいやいや」なのかさっぱりわからないんですけどそれが楽しいんですよねわかる。

そんな感じで一通り振り返ってきた大阪ワンマンですが、アイデアに富んだ繋ぎの数々で、すっかりお馴染みになってきた定番曲たちの新たな表情を引き出していたように思います。今後もいろんな創意工夫で驚かされていくのだろうなぁ、とそのクリエイティブ精神に嬉しくなります。
メンバーも前日の夜10時に同じ部屋に集まって繋ぎの練習めっちゃしてたみたいです。がんばるなぁ。

MCでも触れてましたが、今回のライブを機に日本全国でワンマンができたらいいですね。本当の全国ツアーを。
「Pinky Promise」という今回のタイトル、「指切り」という意味です。お客さんいっぱい来ましたし、期待してくれる人達との再会の約束を、ということでしょうか。
あるいは曲の繋ぎにこだわった今回のライブを暗示していたとか。指を繋ぎますものね、指切りって。という小ネタ読み。


4月に2ndフルアルバムのリリースも決まりました。ぶっちゃけシングル挟んでアルバムはもうちょい後だと思ってたので、素直にめちゃくちゃ嬉しかったです。だってこんな早い時期に出るってことは、現体制でリリースする機会がまだまだ生まれるってことじゃないですか。というか実際本間さんに聞いたら「まだまだある」って言うんです。そんな嬉しいことないですよ。
thirdShoes.全曲、「Cider Aquarium」、未音源化の「秘密」「茜」「The Curtain Rises」、そして完全未発表の2曲を含む全10曲。thirdShoes.曲は少し手直しして入れるそう。「砂糖の夜に」も入るということで、どんな風にアルバムが構成されるのかも非常に気になるところです。

今年はもうハンパない勢いでやっていきそうだな、と思わされた1日でした。夜の対バンまでは観れなかったのですが、ワンマンのためだけに大阪行く価値ありすぎました。めちゃくちゃ楽しかったなぁ。

73 椋本真叶生誕のセトリ最高だったな

どこが最高かつらつら書いてたら長文になってしまったのでこっちに。。最近ライブレポとか書いてないですね。


SE.砂糖の夜に(short)
1.ソーダフロート気分
砂糖の夜にを入場SEにするパターンから、寧々ちゃん生誕でもやっていた転調?ポイントでメドレー式に繋げるスタイルで、今回はドッツのカバーのこの曲。選曲されただけでもわかり手なのに、この演出で1曲目に持ってきたのはニクい。ニクすぎる。もはや肉。おいしいお肉をいっぱい食べて元気に健康に素敵な20歳を過ごしてほしい。豚のロースは疲労回復効果があるので、全力でライブしたあとにおすすめです。
ちなみになにがニクいかって、ドッツの解散 発表後のタイミングなのと、卒業したあっちの推しが椋本さんと仲良しだったので、椋本プロデュースセトリでこれを歌ってくれたことが本当に嬉しいというやつです。個人的な思い入れがすごく強いというだけなんですが。。

2.秘密
3.星降る夜、君とダンスを
カラーの違う「めっちゃ楽しい」曲を立て続けにぶっ込む。秘密でじゃれあってるメンバー本当に可愛いですよね。生誕では5割増でイチャイチャしてるのでなんかもう見てるほうまで幸せな気持ちになってきますよね。
星降る~なんかは「もうやっちゃうの!?」って感じで、この時点で高まりがだいぶ極まっていました。すさまじい盛り上がり。

4.ハートビート
前曲からブル転でのブレイクを挟んでいて、その曲間が絶妙すぎて「完璧か…」となりました。
やっぱり落ちサビでの光景が本当に良くて、実は開演前に配られたサイリウムが2本1セットだったんです。いつもは1本なのに、ハートビート用とアンコール用で計2本。まなか推しの熱量が伝わってきてもう開演前から「最高じゃん…」となっていたし、実際落ちサビになるともう耐えられずニコニコしてしまってるまなかちゃんの表情がたまらなく良かったです。最高。

5.Cider Aquarium
めっちゃ楽しい3連弾のあとにハートビートで疾走系エモの流れを作り、その後のパートの繋ぎにこれを入れたのもまた絶妙。
流れ的にこれは僕たちは息をするに繋げるパターンで来るかな?と思ったら、そのまま曲を終わらせて次がまさかのblue moon.、この意表の突き方にも唸らされました。

6.blue moon.
7.茜
8.ナイトウォーク
blue moon.という空気をガラッと変えられる曲でしっかり世界観を整えてから、tipがこれをやるの禁じ手なんじゃないかとまで思わされる強烈な茜、そして最後にナイトウォーク。
ストーリーの組み立てが本当にエモくて素晴らしかったです。blue moon.から茜、って流れは別れの予兆がだんだん現実味を帯びていく様を繊細に繋いでいて、相乗効果で破壊的な切なさを生み出していて。そして泣き腫らしてぐちゃぐちゃになった心で真夜中に一人歩いて、すこしずつ頭と心を整理していって最後には前を向いて夜が明ける、っていう物語。心が洗われたような感覚で、綺麗な気持ちになりました。
登場SEが砂糖の夜にで、最後の最後に新しい物語を付加してナイトウォークで締める、っていうのも本当にニクい演出だなぁ、と思います。
ラストたった3曲でここまで世界観を立ち上げたのはもちろんのこと、特筆すべきは全体の構成ですよね。序盤にクライマックスレベルの沸きゾーンを作っておいて、椋本真叶のシグネチャー楽曲と言っても過言ではないハートビートをしっかり効果的に組み込みつつ、最後の最後でこの物語を演じてライブを終わらせる。
やりたいこと全部詰め込んだんだろうなぁ、と思う一方で、こういうイレギュラーな構成に踏み切れる大胆さこそが彼女の持つ素晴らしいセンスなのだとも思います。


En.夢日和
別に生誕に限ったことじゃないんですが、アウトロよく聞いてみるとガチ恋打ってるのまなか推しだけなんですよね。それが聞こえてまなかちゃんが笑っちゃう、っていう一連を見るのが毎度のことながら楽しみだったりします。
今日はアンコールで焚いたサイリウムで紫染めをしたまま。やはり熱すぎるまなか推しのガチ恋と、それを前にニヤニヤが抑えられないまなかちゃん。いつも通りといえばいつも通りですが、どちらも今日の主役なので、より両者のための空間、って感じでした。ピースフル。
まなかちゃんとまなか推しの関係性、とっても微笑ましくて大好きです。お疲れさまでした。

72 なにをどうして生きていくのか

もうそんなこと考えている場合ではないのだけどなかなか定まらない。家の仕事のために資格を取りに行くけど、生まれ持ちの疾患などでディスアドバンテージが大きい上にまったくやったことない技術を今から身につけることの大変さ、なによりそれに対するモチベーションの持てなさ。やりたいスタイル・部門はあるけどそれとは相反するものだし、さてどうしたものか。

なにか作品を作るというようなことをしたい気持ちも捨てきれない。やればいいじゃんって話なんだけど、これまでにないくらい仕事に忙殺されていて、遊ぶ時間すらままならない。まぁ一応これから軌道修正ができそうではあるので上手くやりたい。あとドラム習いたい。それかベース。

詩は本当に15年近く書き続けている。想ってるようなことがなにもなくても、ふと思いついた言葉なども書き溜めている。なにかに使えるかもしれないと思って書き留めるけど別に何にも使わない。でもそれでいい。言葉遊びや上手いこと言うのが好きで、これは密かなライフワークだったりする。
年々手法が増えていくのも楽しい。これに関しては誰からも教わったことがないので、すべて自分の気付きだけでスキルアップできている。だからこその楽しい。

昔は想ってることを爆発させて文字にしてるだけだったけど、最近は本当に創作的なものが多くなった。内情を吐露しているようで本当のことをすこし混ぜたフィクションが多い。そうしたほうがなんだか豊かになる。真実を織り交ぜると嘘が本当っぽくなるのと同じ。

作詞は3曲ほどやった。1曲は詞が先にあって曲に起こしてもらったもの、1曲はインスト曲のメロディーに歌詞を乗せたもの、1曲は洋楽に日本語詞をつけたもの(訳詞というにはだいぶぶっ壊した)で、ありがたいことに今でも歌ってもらっている。
ただ当時書く曲は自分で選んでいたので、自分にとって誤配がない。要は想像だにしないオーダーへの挑戦をしていない。作詞、またやってみたいですね。

書いている詩の中には頭の中でメロディーがついているものもある。なんならアレンジまで頭の中で固まっているものもいくつかあるし、公開していないものの中にもそういうものがある。これはいずれちゃんと形にしたい。ちなみにメロディーの有無で言葉の質感はだいぶ変わりますね。言葉にも文字にもそれ自体の音がある。

詩作はnoteに。noteはこれ専用。
http://note.mu/blu_01d

71 嫉妬ってするもんなんだな

嫉妬とかそんなにしない人間だと思ってたんですけど、なんか今日ふと気付いたんです。もう十年以上前から音楽ライターに嫉妬してる。

たぶん雑誌で読んだB'zのライブレポートだったと思う。自分も観たあのライブの感動を、なんでこうも多彩なボキャブラリーで、ともすれば自分が感じたよりも鮮烈に伝えられるのだろう。

イラストやリミックスのような二次創作ができるわけではない。楽器もできないし自分ができるファン活動といえば、その気持ちを形にする唯一の手段は、言葉を尽くして語ることしかなかった。昔からそうだった。

だから音楽ライターの手腕がとにかく羨ましかった。言葉のバリエーションと彩りを意識して、物事の感想をブログで書くようになった。そんなことをずっとずっと、無意識にできるようになるまで続けてきて、いつしかその原点すらも忘れていた。



自分が唯一というくらい他人に褒めてもらえることって文章力だけなんです。改行まったくしない雑すぎる文でもすらすら読んでしまうと言われたこともありますし、尊敬する作詞家の方にお褒め頂いたこともあります。だからなにに関しても自信がない、自己評価が低い自分が、唯一特技だ、才覚だと誇れるのが文章力なのです。

自分は嫉妬ってそんなにしない人だと思ってました。でもやっぱり人並みにあるし、金で買えるものなら無理して買ってしまったりするし、なにより自分の文章力成育の原点は音楽ライターに対する嫉妬からだったわけです。

頭の中で音読するとかなるべく喋ってる風に書くとか、読みやすい音感とかグルーヴとかは単に自分が読みやすい文章書こうって思ってそうしてるだけで誰かや何かを意識してるわけではないのだけど。

なんの脈絡もなく自分の中の''嫉妬''に気付いたというお話でした。


なんでもグルーヴってありますよね。言葉の持つ音、文字本来の音、句読点、表記、字面、改行、文章や詩の構成はそのすべてにグルーヴがある。
現代口語演劇っていう静かな演劇をやる劇作家・演出家って実はとても音楽好きで、会話で音楽を作るかのようにグルーヴを求めて会話劇作りをするんですよ。面白いな、と思います。自分が知ってる人だけかもですけど。

変な話、文章のグルーヴで人のこと好きになったり苦手になったりします。やばい人はなんとなくそれでわかったりしますしね。