81 とりとめもなく雑文というか吐き出すモ

3人のライブを観たって実感は沸かないと思う。
「今日は休みなんだな」って思ってしまうはず。
でもあのちゃんが休みの3人ライブは「戻ってくる前提」だけど、これからの3人は、「このまま頑張らなきゃいけない3人」だ。

 

これまでの4人は、同じ顔ぶれで2015年の夏の間にも4人体制として活動していた。もねちゃんとちーちゃんが活動休止をしたためだ。メンバーもオタクも「2人が帰る場所を守ろう」という意識が強かったと思う。
でも2016年の7月以降、「もう2人が戻ることのない、4人体制」になった。

 

2015年夏と2016年7月以降では、顔ぶれは同じでも全く違うグループという感覚だった。
おそらくこれからのゆるめるモ!現場で味わう感覚はこれに恐ろしく近いものではないかと思っている。

 

直後のインタビューは放心状態そのものだった。
それ以降、4人でのスタイルを模索する新たなフェーズに突入することになる。
この3年間で試行錯誤を繰り返しながら、なんとかして4人でのスタイルを作り上げてくれた。ここ1年くらい、本当に良いライブばかりする。

 

しかしその道程には、度重なる路線変更に戸惑う往年のファンたちの姿もあった。メディア露出は徐々に増え、新規獲得にも成功していたが、ファン層には埋めがたい溝が生まれていた。
フロアにどれだけ新顔が増えても、そのぶんだけ減っていく顔があった。自分もわりとその1人なのかもしれないけれど。

 

コールまとめだなんだとやり出したのは、その溝を埋めて、欲を言えばかつてのファン層も取り戻し、今まで以上のステージに立ってもらいたいという気持ちがあった。
東阪Zeppはどちらもソールドしなかったとはいえ、東京以外のZeppでもある程度埋まったのをひとつの成果と取るべきか否か。東京のZeppでさえ1度もソールドさせられていないグループだが。関西はとても熱い。

 

一方で、こちらのモチベーションを後目に素っ頓狂でポンコツなことばかりやらかす運営の手際の悪さに、自分がなんとかしてやろうとしたことが結構な勢いで空回りしてる感は否めなかった。モチベを上げようとしてもメンバーのモチベが低いのが手に取るようにわかって萎えたりもした。
もっとも自分のやっていることは熱量こそ否定しないが独善的極まりないものだったりする。それでも声を上げて喜んでくれる人のため、と思ってやっている部分があるのは確かだが。

 

最後の日、あのちゃんが引用したスキヤキの歌詞が、結局すべてだったのではないか。言われて気付いたがなるほどそうか、という感じ。ある意味では求めていたものは同じなのかもしれない。
そしてたぶん自分自身、天井がすぐそこまで見えている現状を見て見ないふりしてきたのかもしれない。

 

こういう結果にはなったけど、ぴゅーぴるモ!の企画に踏み切った運営の英断については賞賛したい部分がある。それまで大きく変える勇気を示してこなかったのが、ついに重い腰を上げたという印象を受けた。前に進むために起こす行動なら推して見守るしかない。行動する者達に水を差す野暮な人間ではいけないと思う。

信じるのを辞められないのが吉と出るのか凶にもならない結果に終わるのか。自分にはわからない。

 

たとえ推しが辞めても現場には行くと思う。ゆるめるモ!という旗印を信じてここまで来ているのだから。

やめてほしいとは毛ほども思わないけどね。やめたところでしふぉん主義なのは変わらんけどさ。

 

失ってはじめて気付くような莫迦はもうこれっきりにしてほしい。アソブロック各位。
言いようのない、由来の知れない涙が沸き出すのを感じている。正直言うと今回の件ではずっと涙を堪えてる。あのっ子の話を聞くたびに胸が詰まって言葉を失っていく。

泣くのは自分じゃないと言い聞かせて。

80 ぴゅーぴるモ!(ゆるめるモ!研修生)について詳しく書きます。※2019.10.3追記

去る9/25、ゆるめるモ!研修生「ぴゅーぴるモ!」のお披露目イベントが行われました。

内容は、やけにハイテンションな田家さんがメンバーを一人一人紹介しトークを行うというもので、ライブこそなかったものの、一部のメンバーを除き歌声も聴くことができました。終演後には初の囲みチェキ会も行われ、メンバーとの初グリーティングも実現。この日撮りに行った人は紛れもなく最古参と言えるでしょう。

なぴちゃんやさささにも突っ込まれていましたが、田家さんがノリで進めていたためメンバーごとの時間配分もバラバラで、非常にルースな雰囲気でのメンバーお披露目となりましたが、結果として非常に楽しいイベントとなりました。

今回のブログではそんな研修生「ぴゅーぴるモ!」を紹介できればと思います。

長らく新メンバーを入れてこなかったゆるめるモ!の新メンバー候補生ということで*1、グループの発展に希望を見る方や、現メンバーの卒業の可能性を考えてしまう方、他の誰かに入ってほしくないと複雑な気持ちを抱える方もいると思います。

そんなあらゆる気持ちを抱えたすべての方に、とりあえず読んでみてほしいこのブログです。「ぴゅーぴるモ!」はつまり、「ゆるめるモ!の未来」そのものでもあるのです。

 

ぴゅーぴるモ!とは

元々は「ゆるめるモ!と一緒に世界を驚かせたい人」を募集する「サプライザー」という企画において、「メンバーになりたい!」という要望が殺到したために別途新メンバー応募枠を開設、その中から応募総数約1,200人という狭き門をくぐり抜け、「研修生」として選抜されたのが「ぴゅーぴるモ!」です。

 

「ぴゅーぴる=pupil」は「生徒」「弟子」といった意味の英単語で、さながら「弟子めるモ!」といったところでしょう。しかも「音楽家の弟子」というニュアンスを持つため、まさに楽曲派グループの筆頭としてシーンに多大な影響を与えてきたゆるめるモ!の研修生グループに相応しい名称と言えます。

今後どういった形で選ばれるかは不明ですが、この中から何人かがゆるめるモ!の新メンバーとして加入する可能性があります。(もちろん誰も加入しない可能性も)

 

昨年個人的に実施した田家さんとのトークイベントにて、メンバーの選考基準について田家さんは「変な煙が出ている感じの人」と語っていましたが、1,200人の中から選び抜かれたメンバーはさすがに一筋縄ではいかない個性を持った、それでいてとても可愛らしい子達が集まりました。

それでは、先日お披露目されたそのメンバーを紹介していきたいと思います。

 

ュンバミ

まる

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誕生日:1月27日
血液型:A
趣味:アニメ、漫画を見ること
長所短所:短所…コミュ障なとこ
好きな食べ物:チョコ、甘いもの
好きな言葉:自由
好きなアーティスト:ゆるめるモ!
あなたがゆるまる瞬間は?:寝てるとき

アニメや漫画のオタク。黒執事や鬼滅の刃が好き。
小柄で鼻筋が高く、性格はとてもシャイですが、くしゃっとした笑顔がとてつもなく可愛いらしい。こういう笑顔にオタクは弱い。守ってあげたくなる。既に一部女ヲタからの熱烈なコールが起こっていました。
見かけによらず大人っぽい歌声の持ち主。披露してくれた「残酷な天使のテーゼ」が歌声によく合っていました。

公式プロフィールにもある通り、今回のメンバーの中で唯一ゆるめるモ!好きを公言しての研修生加入となりました。普通にゆるヲタトークを楽しむのもいいかも?
歌唱曲:高橋洋子「残酷な天使のテーゼ」

 

ひぃ

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誕生日:7月8日
血液型:A
趣味:音楽、お笑い、ギター、動画・画像加工、ゲーム、読書
長所短所:好きなことに真っ直ぐ/落ち込みやすい
好きな食べ物:お寿司、ラーメン
好きな言葉:またね
好きなアーティスト:スピッツ、キュウソ、エレカシ、KEYTALK、KingGnu、sumika、OKAMOTO'S、ハンブレッダーズ、Billie Eilish
あなたがゆるまる瞬間は?:家で音楽聴いてるときとコントとか漫才みてるとき

初っ端から「ぴぃ」と運営に誤植されてしまった子。
とても内気ながら、みんな裏で泣きそうになっていたという楽屋で、自己紹介のトップバッターに名乗りを上げるほどの気概の持ち主。
お笑い好きで、小学生の頃はクラスの「お笑い係」を務め、「Zカップ」というコンビを組み、頭の全面にひょっとこのお面をつけて阿修羅的なことをするなどとても愉快な存在だったようです。最近はジャルジャル、中川家らが出演するお笑いライブを横浜まで観に行ったとか。

バンド・お笑い好きということで現メンバーとの親和性がありそうな予感がします。
とてつもなく緊張していたものの、殻を破るとすごく頼もしいメンバーに成長しそうです。
歌唱曲:ブルーハーツ「情熱の薔薇」

 

しろみ

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誕生日:6月28日
血液型:O
趣味:純喫茶・古本屋巡り、コンピュータ筐体鑑賞、爬虫類の飼育、昼寝
好きな食べ物:ジビエ料理
あなたがゆるまる瞬間は?:実家に帰省したとき

海外文学などを嗜み、楽屋でも1人本を読んでいたそうです。当日所持していたのはゲーテ「ファウスト」。そしてプロフィールにもありますが「コンピュータ筐体鑑賞」という小一時間お話を聞きたくなる不思議な趣味も…

大人びた顔立ち&知的なスタイルでこれまでのモ!にはいなかったタイプ。お披露目時はもう少し髪が伸びて外ハネカールがエレガントでした。絶対私服がおしゃれ。
受け答えがすごくしっかりしていて、研修生メンバーの中で最もお姉さん感があります。あのちゃんが話している時にふと彼女のほうを見てみたらものすごく真剣な顔つきで、傾聴姿勢にも好感が持てました。ちなみに食べ物や趣味などに偏愛の気があるそうです。
歌唱力がハンパないしっかり者。歌唱力担当が長らく不在だったゆるめるモ!にとって、今後大きな変化をもたらしてくれそうな子です。

この日披露してくれた「Yesterday」のアカペラは、これを聴けただけでも行った甲斐があった!と思うほど。発音も素晴らしいです。この歌声があって初めてできるようになる曲が必ずあるので、大いに期待していいと思います。個人的には「もっとも美しいもの」「スキヤキ」での歌唱が楽しみ。
歌唱曲:The Beatles「Yesterday」※アカペラ

 

うる
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誕生日:5月26日
血液型:AB
好きな食べ物:コンビニスイーツ
好きな言葉:もちもち

生まれてからずっと変人と言われ続け、オーディションでも審査員に「変人」と書かれたのが見えたため、落ちたと思ったそうです。変人ぶりは田家さんのお墨付き。言われすぎてもう「勝手に言ってろ」という感じだそう。
「興味を持てることがない」とSNSもしなければテレビも見ず、なにもせず部屋にいることが多いとのこと。お披露目前日はなにもせずベッドにいるだけで終わったとか。
バイト先のお客さんの珍しい名前を自分のLINEユーザー名にしているなど不思議な言動が特徴的。歌はライブでのお楽しみということで当日の披露はありませんでした。
「うるちゃん」と呼んでほしいそう。あとチェキに来るときは穏やかな顔で来てほしいそうです。
歌唱曲:なし

 

ねるん
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誕生日:4月4日
血液型:A型
好きな食べ物:マヨ、ピートロ、辛いの、ポテト
好きな言葉:おやすみなさい〜、はなまる満点
あなたがゆるまる瞬間は?:美容師さんにシャンプーしてもらっている瞬間

楽屋でも常に変な動きをしていて落ち着きがなく、また言っていることが2秒で矛盾したりとなにかと忙しい子。緊張しているのかあまり多くは語らずも、田家さんに「我が強い」「高倉健のように物言わず語るタイプ」であり、ぶつかられても動じないような気の強さがあると評されていました。
当日は白いリボンをつけていたのが印象的。ビジュアルは特段個性的というわけでもないながら、とても可愛いです。部活では「レベルの低いダンス」とバレーボールをゆる~くしていたそう。
ガッチガチではあったものの芯の強さが感じられたので、今後どんなパフォーマンスを見せてくれるのかが楽しみな1人です。

歌唱曲:なし

 

なき

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誕生日:8月31日
血液型:O型っぽいって言われる
趣味:ゲーム実況を見ること。ゲームすること睡眠。
長所短所:げんき/うるさい
好きな食べ物:お肉
好きな言葉:なんか
好きなアーティスト:ハロー!プロジェクトさん
あなたがゆるまる瞬間は?:寝る体制に入った時 歌ってる時

アーティスト写真でもわかる通り弾けるような笑顔が印象的。喜びを素直にストレートに表現するので見ていて気持ちがいいです。当日は髪をおろして長めのボブでした。

ハロヲタ。アンジュルムが好きで、お披露目の前にライブに行ってきたそうです。
オタクが悪ノリで「なになに~?」と言いがち。*2 これについては「なんでもないです!」とのこと。自己紹介がすぐ作れそう。
道で歌ったり踊ったりしているところや牛丼屋のメニューを見ようとして踏み台昇降運動みたいになってしまったところをバイト先の店長に目撃されて言いふらされるなど、いくつかのネタエピソードを備えています。
質問をすると一言一言バシッと返ってくる、頼りがいがありそうな感じの子です。初音ミク曲のハイトーンもいける歌声を持ち、即戦力として期待できそうな逸材でした。
歌唱曲:石風呂「ゆるふわ樹海ガール」

 

???

実はもう1人メンバーがいるのですが、現在受験中とのこと。運営陣からの「今は受験に専念するように」との指示があり、遅れて合流するそうです。

ぴゅーぴるモ!は彼女(?)*3を含めて計7人となります。

 

Twitterアカウントは?

公式アカウント(@pplm_staff)が開設されています。

メンバー個別アカウントについてですが、レッツポコポコ*4の結成時と同様*5、一定期間は作成しないものと考えられます。

レッポコの場合は研修期間修了時にメンバー個別アカウントが開設されましたが、それと同時に活動を辞退するメンバーの卒業も発表され、また最終公演もないままの脱退となったため、非常にダメージが大きかったです。*6

このあたりは運営さん、なんとかしてください……という気持ち。個別アカウントあったほうが応援のモチベも上がりそうですが、いかがでしょうか?声が大きく上がれば実現するかも…?

 

今後について/筆者の気持ち的なもの

土日をメインにライブ活動を行っていくそうです。
10/4にはゆるめるモ!7周年記念イベントのオープニングアクトとしてライブデビュー、10/25には初の単独公演を開催予定とのこと。

 

ゆるめるモ!については今年結成7周年を迎え、唯一のオリジナルメンバーであるけちょん以外のメンバーについては加入6周年を既に迎えており、ステージ経験がないという研修生メンバーとは経験値の差が歴然です。(MCでの声量差からもそれは感じ取れました)
姉妹グループではなく本家ゆるめるモ!の研修生ということで、加入を目指すにあたりその経験値の差は並々ならぬ努力で埋めていかなければなりません。それにはやはり、研修生が「ぴゅーぴるモ!」という独立した名を冠しながらも、「ゆるめるモ!」と共にステージに立ち、対バンという形ではなく一緒にパフォーマンスをすることが必要不可欠だと思います。
一般的に、能力に差がある者同士が一緒に仕事をすると、レベルが低い方の能力が高い方に引き上げられると言われています。経験値の差を少しでも埋め、これからのゆるめるモ!を現メンバーの4人と作っていくためには、人間関係の構築も含めて共に切磋琢磨する経験がなにより必要ではないでしょうか。

既に今のメンバーが持たない魅力を発揮している研修生メンバーもいます。同じステージに立たせることで、ステージはより華やかになりファン目線では新鮮なライブを楽しめ、また研修生メンバーにとっては実際にゆるめるモ!に加入した時にぶつかる壁や見える景色がよりリアルに感じられることでしょう。

 

ぴゅーぴるモ!は、長年現状からのブレイクスルーを待ち続ける歯がゆい状況にいると言わざるを得ないゆるめるモ!を変える大きな転機になると考えています。
大きな変化というのは往々にして相応のストレスや時に痛みすらも伴うことがありますが、それを乗り越えて、今まで以上に大きな夢を見せてくれる新生「ゆるめるモ!」になってくれることを願って止みません。もちろん、現メンバーは全員残った上で。

正直、逸材揃いだと思っています。全員がゆるめるモ!に加入することはできないと思いますが、全員に対して大いに期待をしています。
彼女らが今の4人と共にゆるめるモ!の未来を作ってくれる存在であることは間違いありません。ともすれば、そんな研修生メンバーたちを盛り上げ、応援する。それこそがゆるめるモ!の将来に懸ける、ということになるのではないでしょうか。
種々様々、多様な想いや考えがあるとは思いますが、時期や歴は違えど、これまでのゆるめるモ!を応援し続けてきた同じ一ファンとして、彼女らを支え、グループの未来を応援してもらえたら嬉しいです。自分はめちゃくちゃ応援します。

 

追記(2019.10.3)

9月30日付けであのちゃんの脱退が発表されました。

種々様々な想いが各人にあると思います。それはファンにとっても、メンバーにとっても、研修生のみんなにとっても。1人では抱えきれない想いを誰もが消化しきれないまま過ごしていることと思います。それほどまでに彼女の存在は大きかった。

 

「今のゆるめるモ!」は「あのちゃんが遺してくれたもの」のひとつです。もちろん、旧メンバーであるのんちゃん、ゆみこーん、ざらす、もねちゃん、ちーちゃんが遺してくれたものでもあります。*7 彼女らがゆるめるモ!を作り上げてきてくれたことには感謝の念しかありません。

そして今、あのちゃんに対して自分が持ち合わせている想いは「ありがとう」という、ただ一言に尽きます。推しではないとはいえ、重ねた時間の分だけ思い出があります。ここまで来てくれたことを純粋な気持ちで讃え、見せてくれた景色に、与えてくれた想いに、深い感謝を抱き、影ながらその新しい旅路の栄光を願うのみです。

私が出来ること 行く道をみながら

飾りない君の背中押すことだけ そうだね

「Refresh Your Jewellery Box」

 

あのちゃんがグループを去った今、これからを作っていくのは残る3人と、ぴゅーぴるモ!のメンバーたちです。

自分はやはり、応援したい、応援してあげてほしい、と思うのです。もちろん、今回の件についてはどんな気持ちも否定されるべきではありません。あくまで一個人の意見として、ゆるめるモ!というグループを諦められない一ファンの意見として、これまでのメンバーが作ってきてくれたものを、これからのメンバーと共に守り、盛り上げ、今まで辿り着けなかったステージに手が届く未来を信じて、支えられたらなと思うのです。

 

残る3人についても、また誰かが辞めてもおかしくない状況にあることは否めない部分があります。大きな迷いと葛藤の中で、身を切るような想いで、まずは10月1日から一歩ずつ前に進もうとしているのだと思います。研修生メンバーにしてもそれは同じ部分があるのかもしれません。

それぞれに人生があり、離れることで自らの成長を選ぶ、というのもひとつの正解です。悲しい気持ちとはまた別に、尊重されるべき人生の選択なのです。各各の人生がより豊かで幸福なものになることを祈っています。

 

それでも残ってゆるめるモ!を続けてくれるメンバーがいるのなら、自分にできることは、この先の獣道を往く彼女らの道筋を信じて応援してゆく、それだけなのだと思っています。

 

「辛い時は逃げてもいい」

 

自分を大切にしてほしい、というメッセージを結成以来一貫して伝え続けているのがゆるめるモ!というグループです。凝り固まった頭と心と社会が不幸をのさばらせる世界をゆるめるために、誰もが生きていられるように、時には「破壊」という手段からの再構築を提唱してきたのがゆるめるモ!なのです。その思想に深い共感を覚えたのが自分にとってのはじまりでした。

このメッセージが広く世の中に浸透してくれたらいい、そのためにもっと売れてほしい。そう思い続けながらも、現実は歯がゆいことばかりで、舵を取る運営の航海力のなさにも、わざわざ泥舟を海に浮かべる頼り甲斐のなさにも、何度嫌気が差したかわかりません。メンバーのメンタリティだってプロとしてまだまだ一人前とは言えない部分が少なからずあります。ゆるめるモ!を構築する組織全体の未熟さが招いた「今」がここにある現実です。

 

それでも、ゆるめるモ!は諦めていない。前に進むための行動を起こし続けている。

大嵐からはじまる7周年。たどたどしくも撒き続けている希望の種の行く末に、まだまだ期待してみたいのだと、自分の心はそう言っているようなのです。

(じゃあ)傷を背負って道無き道を行く

(じゃあ)傷を背負って道無き道を行く

(じゃあ)傷を背負って道無き道を行く

(じゃあ)傷を背負って道無き道を行く

「ぺけぺけ」

 

*1:メンバー募集は実に6年ぶり。しふぉん、ようなぴ、あのらが加入して以降は卒業で人数が減るのみで、補充を一切行ってきませんでした。

*2:ガチ恋口上の合間に挟むにぎやかし。

*3:ぴゅーぴるモ!の募集要綱では、年齢・性別不問だそうです。

*4:ゆるめるモ!の妹分グループ。2018年解散。

*5:結成から3ヶ月は全メンバーが研修期間でした。

*6:推しが長文コメントひとつ残しさよならもできないままいなくなりました…

*7:先代水色のいっちーに関しては過去メンバーで唯一スペシャルサンクスに名前が載っておらず、あまり良い辞め方をしていなさそうなのでこの中に含めていいのかは判断に迷います。

79 舞台スリーアウトは作演のクビ跳ねたほうがいい

高い金払ってクソつまらない芝居観たことも、無料でめちゃくちゃ面白い芝居を観たこともありますが、前者のパターンで史上最悪と言える観劇体験でした。

「面白かったら役者のおかげ」「つまらなかったら演出家のせい」という話を聞いたことがありますが、まさに、まさにそれですね。よくわかる。ああこれは良いケーススタディだ。クソ喰らえ。

 

とある高校の女子野球部がラッキーパンチの不戦勝でうっかり全国に進んだもんだから演劇部を雇って偽りのチームをでっちあげ部員獲得のためのイベントを行う……みたいな話なんですが、実際に女子野球やってる方々(というか野球人全般)や演劇人がこれ観て良い気分になります??と思わざるを得ない作品でした。野球人でもなけりゃ野球人の知り合いがいるわけでもないのですが、それでもそう思うほど、取材もろくにされてないであろう底の浅い設定と台詞のオンパレード。元演劇人的には普通に「は?」って思うのがありました。

偽りのチームをでっちあげてる話なんだからそれはそれで良いのでは?という部分もないことはないんですが、それにしちゃあ物語の視点誘導の導線がボロッボロのカッスカスで、本来なら鉄骨でしっかり枠を組まなきゃいけないのに現場行ってみたらそのへんに落ちてた小枝が数本あっただけみたいな、そんな構造です。ゴミ。

構造のゴミさをより確かなものにしているのは、おそらく女子野球部監督の人物設定。設定というか「部の監督(=教員)」という立場の人間についてああいう描き方をするのは、本職を馬鹿にしているというか、いやそもそも人間てものを馬鹿にしてるとしか思えないんですね。先に書いた野球人だ演劇人だの話も馬鹿にしてんだろとしか思えないってことで、人を馬鹿にした脚本なのでひいては観客をも馬鹿にしてるわけです。

あ、いや、っていうかそもそも人物同士の関係性とか背景の設定とか作り込みが甘すぎてまったく意味わかんなかったんです。行動の動機も謎が多い。やりたいことやったもん勝ち青春ならとでも言わんばかりに滅茶苦茶な相関詰め込んでロクに表現もできず100%勇気ですかテメェは他の知的な成分一切ナシですかコノヤロウってな感じなんですけど、まぁこれでゴーサイン出すのは蛮勇か本当に頭が悪いかのどちらかですね。まぁどっちもかな。

このアイドル芝居チケット安くないじゃないですか。前方なんか値段跳ね上がりますし、前に行くほどげんなりですよ。あんな素人ホン無料だって観たくないし、学校内で無料公演やってる学生劇団のほうが遥かに面白い作品書きます。オタクは推しが可愛ければどんなゴミ作品でもニコニコ笑って金落とすと思ってるんでしょうねーうんまあ普通に金返せって思ってますけど。こっちだってそこそこの年数人生歩んでんだから色んなもの観たり聴いたり経験してんだよなめんな。自分なんかまだ若いほうで、近くの席にいたおっさん達はもっと経験豊富なわけですから、そらもうどんな気持ちだったんだろうなぁ、と。

人間に対する敬意みたいなものが全然感じられないものを作る演劇人っているんですねーしかもこんながめつい商業舞台作れる企業様に。芝居は人間だってのに。ほんともうオタクをただの金ヅルと思ってなきゃこんな作品を観客の前に出しませんよね。自分だったら肝臓売ってでも公演中止にしますけど。

 

物語を紡ぐ設定や台詞に絶え間なく失笑するしかない地獄のような時間が続きます。随所に挟まれる伏線の域を超越した作家のオナニーでしかない数々の人間ドラマ。話の枠組みがズタボロなのでなんかよくわかんない中で勝手に盛り上がって謎に収束していきます。仕舞いには出番を与えるためだけみたいな謎のシーンまで登場し、実際そのシーンにしか登場しない方もいました。本気で謎でした。

観劇って台詞や演出から情報という部品を集めて頭の中で船を作り上げ、それに乗って航海しながら結末に辿り着く船旅のようなものだと思うんですが、終ぞ骨組みすらできあがらないままクロールで終演まで辿り着きました。あー疲れた……まったく作品に入り込めないまま終演です。なんでこれに9k近く払ってんだ自分は……

推しの活躍ぶりは目覚しく贔屓目抜きに素晴らしいと言えるものでしたが、それを補って余りあるほどの金返せ感です。こんなもん作ってメシ食ってる人間がいるなんて許せないですね。まぁ許せないことしてメシ食ってる人間なんてごまんといます。氷山の一角です。南極ツアーにでも来たんでしょうか。新宿ですけど。

 

あとは声量ない子が多いのに舞台にマイク仕込んでなかったり、Mのレベルがその点考慮されてなかったり、フラットかつ低い舞台なのに客席が互い違いになってなくて前の人の頭で見えづらかったり(前方S席ほど影響でかい)、選曲が知名度そこそこあるやつで軽くギャグだったり、女子野球部のパフォーマンス用の曲がBOØWYなの意味不明というか作演のお前が好きなだけだろとしか思えなかったり、影アナが素人文言のおっさん声でげんなりしたり(これはあくまで個人的な意見ですが、アイドル芝居なんだから出演者にさせたほうが盛り上がると思うんですけど)、製作・制作面からしてもうお察しな感じでした。

一部の力あるorめちゃくちゃ可愛い出演者の方が辛うじて場をもたせていて(すべての出演者さんが精一杯力を尽くして舞台を全うされていたのを肌で感じていたことも書き添えておきます)、それがなかったら確実に寝てましたね。なに観させられてんだろ……そしてこの子らは何やらされてんだろ……とずっと思いながら観てしまいまして、これも話が入ってこなかった原因のひとつ。なんならどういう文言でボロクソに叩いてやろうか考えながらの観劇でした。ご都合主義の美談で物語を終わらせてきたので、最後にはふざけんじゃねえぞって気持ちでカーテンコールを迎える羽目になりました。地獄。

 

開演前から結構スッカスカではありましたけど(木夜ならもうちょい入ってもいいんじゃ…)、カーテンコールで聞こえる拍手が実際の人数より遥かに少なく感じました。えらいこっちゃ。脚本は凡でもまぁ良い感じでやってて演者パワーもあり盛り上がったカーテンコールとはえらい違いで、終演後の客席もとっても静かという有様です。オタクいっぱいいるのに。

かく言う自分も手が動きませんでした。ごめん推し。でもあなたの活躍が本当に素晴らしかったのは真実です。

今度はもっとちゃんと演劇!って感じのところ(糞商業舞台じゃないとこ)で舞台に立ってくれることを願うばかりです。

78 現状把握(moのオタクとして)

思ったことふわっと書こうとするとすぐこンのくらいになるので、もっとちゃんとブログを書こうと思った。ADHDっぽいので、ベラベラ喋る。Twitterするには煩わしい。自覚。

 

「運営に金を落としたくない」という理由で大きいワンマンや推しのソロイベすらも干しCDは積んだ人から頂き……という他界と他己認定されてもおかしくない昨今のゆるめるモ!さん事情ですが、具体的になにが引鉄になったというわけではなく、相変わらず曲は好きだしライブもいつも良いのだけど、とりわけこのライブの良さというのが実のところネックになってて、良いライブを観ると余韻で諸々許せてしまう時期があって、それが落ち着いてきた頃にまた運営がダメな仕事をして(枚挙に暇がないのでいちいち例示しませんが…)荒れる、というのがライブの良さを運営の泥舟を誤魔化すのに利用されているような気がしてしまって厭だったのと、このアップ&ダウンが精神的にすごくストレスになってるな、というのに気付いてしまって、こういう方針に行き着いている……というのが実情。

実際、推し以外のアカウントをミュートしたら心がとても健康になっている。全く見ないわけではないけど。

 

それでも推しの初舞台は観に行こうとバカ高いチケットを買ったり(正直脚本・演出への期待値考えたらもっと面白いものを3回観れる価格)、研修生お披露目に未来と未知と熱量を期待してチケットを取ったり(新企画系諸々メンバーが盛り上げようとしてないあたりこっちのモチベが空回りしてる感は否めないのですが)、まぁあと7周年はちょっと迷ってるかなみたいな。中途半端さはある。

 

グループの旗印に対する強い期待から自分のゆるヲタ歴ははじまっているので、舵取りのだらしなさで沈没するのなんて見たくないし、好きゆえの悲しさみたいものは折にふれて味わい続けているので、いつかこの霧が晴れる日が来るっていう期待を捨て切れないでいるし、捨てたくもないですし、推しには己が信ずる道を進んだ先で幸せを手にしてほしいと心から願っているわけで、そらもう自分には盲目な熱量はもうないし厳しい視点は否応なく持ってしまうけど、そんなの一切合切塗り替えるくらい圧倒的になってほしい。さっさと気軽に面と向かって話せなくなる雲の上に行ってほしい。

こういう気持ちを諦観の下り階段で役目を終えた花火をバケツに放り込むように鎮火させるのはとても悲しいことなので、そんな未来がまだ水平線の向こう側で視認できないところにいるうちに、ぶっ飛んでいってほしいと、もうずっとそう思ってる。

 

自分は正直オタクと会うために現場に行ってる人ではない。もちろん仲良い人たちに会うのは楽しいし嬉しい。しかし好きなものをコミュニケーションツールとはしていない。それができない。1人じゃ行けない、という人の気持ちが0.0000000001%も理解できない。そういう人たちが少なくないという事実の存在だけにしか理解が及ばない。社会性がなく、本来的な意味でオタクなのだと思う。気持ち悪いし面倒臭い。
アイドルのファンをオタクと呼ぶ、レベルのニュアンスでオタクという言葉を蔑意なく使う人は増えたけど、もう少しちゃんと、自分はキモヲタなのだと思っている。なのであんまり気持ちの良い存在ではない。のにうるさいせいでフォロワーさんが結構増えているのは申し訳ない。老害なので見限るのは早いほうがいい。

 

それはそうと、ZOZOで買った秋服が大勝利なので早く着たいです。

77 tipToe. 6th ONEMAN「Colorful」ライブレポート&感想

先に書いておくと、あまり伝わらないかもしれないが、今日のtipToe.は過去に観た様々なライブの中で、もしかしたら一番素晴らしい公演を観ることができたのかもしれない。

良いライブの条件として自分が考えているもののひとつに「未来を魅せてくれるかどうか」というものがある。
その点から言えば、今回渋谷クラブクアトロで行われたtipToe. 6th ONEMAN「Colorful」は非の打ち所のないパーフェクトなもので、100点中300点など優に超え、青天井で加算され続ける、そんなライブだった。

 

灯りが落ちる。流れだすピアノの演奏にバンドの音が重なってゆくトラック。照明の移り変わりと共に紗幕に転々と映されるメンバーのシルエット。否応なく高まる期待、興奮。
新曲?いや、時間が進むにつれ徐々にわかる、「The Curtain Rises」だ。
読みという名の期待に応えるように聴き覚えのあるピアノのフレーズとオーケストラル・ヒット。
臙脂色が鮮烈になロングスカートの新衣装を身に纏い登場するメンバー。
「幕開け」を意味するオープニングナンバーが、新たなイントロダクションを伴ってフロアを熱狂の渦に叩き込んだ。

間髪入れずに「ハートビート」、空気を変えてダンサンブルな「ソーダフロート気分」が続くと、スクラッチのサンプリングから「ハッピーフレーバー」「ビギナー」と続け、さらに今度こそ新曲?と思わせる耳馴染みのないトラックに沸き上がるオタクと、それを見てか笑みがこぼれるメンバー。はじまったのは「The Curtain Rises」同様イントロを追加される形となった「ひとりごと」で、既存曲ではあったものの人気曲の思わぬ導入での登場に一際大きな歓声が上がった。

6曲をノンストップで駆け抜けた冒頭ブロックで、既存曲の新しい導入を3パターンも繰り出してくるサプライズ。バンドならよくある''ライブアレンジ''を、オケスタイルでありながら当たり前のように入れてくるのがめちゃくちゃ熱い。「いや、逆になんでどこもこういうことやらないの?」と言わんばかりに、当然のようにこういう演出を入れてくるのがtipToe.だ。繋ぎのライブアレンジは過去にもいくつか登場しているが、今回のライブはこのテの演出がふんだんに盛り込まれている。

新しいインタールードが多数登場したのも印象的だ。中盤ブロックではアルバム「daydream」において回想に位置付けられる「秘密」から夕暮れへ向かい、さらに夜編へと続くtipToe.楽曲の主人公のストーリーを正当になぞったメニューが組まれている。
MC明けに披露されたのは「秘密」「クリームソーダのゆううつ」「茜」の恋愛三部作。「茜」の終盤から夕に鳴く蝉の声が響きだし、「アフターグロウ」へ景色と時間を繋いでゆく。
メンバーがステージから退場すると、この日のライブのために用意されたという球体や棒状のライティングが淡い青色に染まり、夜の訪れを告げる。

ステージに一人現れた三原海に微かな灯りが零れる。かつてソロリーディング演目として披露され、後に伴奏を伴って音源化に至った「はやく夜が明けて、おはよう。が言いたい。」を粛々と演じる。
途中、声が詰まる。後のMCで「感極まって飛ばしてしまった」と明かしており、事実終盤は感極まって嗚咽が漏れていたが、詩のフレーズも相俟ってそれがなおさらこの演目の内省的な独白の世界への没入感を深めており、もはや節を飛ばしてしまったことになど気が付くはずもなく、蒼い闇が染め上げる世界に瞬く間に惹き込まれていった。

心が落ち沈む部屋の夜闇に、月光が差し込むようなピアノのフレーズがやわらかに一音ずつ響き渡る。それはまるで気まぐれな運命が救いの手を差し伸べるかのように。
「blue moon.」はただ1曲でその空間の世界観を支配する力を持った楽曲で、「はやく~」はアルバム「daydream」にてその導入、そして「アフターグロウ」までの物語から繋ぐ役割を担い夜編の冒頭に加えられた演目であると言える。
上述の三原海の情感溢れ零れるパフォーマンスが、「blue moon.」が描き出す宵夢の世界をより深淵に引き立てており、今宵の「夜」はこれまでで最も美しい光景を映し出していた。

「星降る夜、君とダンスを」にサンプリングされている時計の音を用いたインタールードが流れる。眠りに沈む主人公の傍らで淡々と時を刻む針の音が、時間を伴って物語の階段を登ってゆく。
すこし不思議な夜の邂逅を紡ぐ都塚寧々のリーディング演目「砂糖の夜に」、続く「ナイトウォーク」で夜空が眩しく晴れ渡るようなカタルシスは元より胸が空くような気持ちになるのだが、やはりここまでも含めて今宵の夜編は格別と言うほかない。
しかし驚いたのはその次だ。この夜編の終わりに鳴り出したのは、「茜」を思わせる激情を纏ったギターサウンドが疾走感と共にうねり轟く新曲「silent sign」だ。落ちサビをソロで務める椋本真叶が初めて単独で振付を手掛けた楽曲となる。
tipToe.が描き続けてきた物語に、新たなサウンドと共に加えられた次の1ページに、そして恋愛三部作~夜編で積み上げられた感情を巻き上げる嵐のように吹き抜けたこの新曲に、フロアは大いに湧き上がった。

シアトリカルな中核ブロックを終え、終盤戦のゴングを鳴らしたのはワンマン以外ではなかなか披露されない''はじまり''の曲「特別じゃない私の物語」。
ハイハットのカウントを付け加えてバンドライクに「かすみ草の花束を」に繋げる演出は5th ONE MAN
「Pinky Promise」の再現だ。
この流れに更なる新曲「夏祭りの待ち合わせ」が叩き込まれる。被せなしのア・カペラ&コーラスワークからはじまるこの曲はアッパーなザ・アイドルポップで、フロアの全員が初見にも関わらず、最初のイントロから息のあったMIXやコールを叫び倒していた。カラフルに彩られた照明演出もありとても楽しげな曲で、落ちサビはグループ内でも夏祭りの高揚感が似合う……というかそのものである日野あみが歌い上げた。大型アイドルフェスへの出演を控えたこの時期に、アイドルオタクならどこの現場の人でも簡単にビートの文脈を拾ってコールを入れられるこの楽曲の登場は、近い未来の素敵な光景を想って胸が高鳴った。
ライブはさらに続き、昨年渋谷WWWで行われた「Our blue moment.」で披露された「Cider Aquarium」~「僕たちは息をする」のメドレーver.が登場。「Cider Aquarium」の初披露時の演出で、以降もたびたび使われる定番の演出で、先の「特別じゃない私の物語」~「かすみ草の花束を」と共に通っているファンにも嬉しいリバイバルだ。
しかし今回はそれだけでは終わらない。「僕たちは息をする」のアウトロからノンストップで鳴り響いたトラックは「星降る夜、君とダンスを」の新しいイントロ。カラフルなペンライトと共にオーディエンスは跳ね回り、フロアの熱は最高潮に到達した。

ファンがサプライズで用意したサイリウムや、グッズとして新登場したオリジナルペンライトが揺らめく光の海に、アンコールを求める声が感情のままに響く。
呼び込まれたメンバーが登場すると、眼前に広がる光景に驚きつつ、ファンに向けて一人一人感謝の言葉を語った。

最後に披露されたのは、締めの定番「夢日和」。熱量と多幸感に満たされたフロアとメンバーはこの楽曲で大団円を迎え、およそ2時間に渡るステージに幕を下ろした。
持ち曲のすべてに新曲2曲を加えた全22曲を披露。サウンド面の新たな演出が多数盛り込まれ、曲数も過去最多となり、新鮮な驚きとエモーショナルが常に注がれ続ける刺激的で幸福なライブだった。それでも体感は実際より短く感じられ、どれほど充実した時間を過ごしていたのか実感する。


今回特筆すべき点は、多数の新演出が施された曲の導入部、そして''現体制以降''を担う2人が主役と言わんばかりの2曲の新曲だろう。

大々的にイントロが追加されていた3極は下記セットリストに「''Colorful'' ver.」と仮に記した。今回のワンマンのために製作されたトラックだと思われるが、「ソーダフロート気分」~「ハッピーフレーバー」のような繋ぎも含め、今後のライブでも演出のバリエーションとしての登場が期待できるだろう。新規インタールードトラックの多数起用もあり、従来の演出に加え今回の演出の再提示、そしてまた新たな演出で過去の曲たちも生まれ変わり続けることを示唆しているようで、これからのtipToe.に対する期待感を両手でも余るほど大きく膨らませてくれるものだった。
同時にバンドがライブ用にアレンジする時のような導入追加が多々見られ、オケライブ(身も蓋もない言い方をすれば''カラオケ'')が主流のライブアイドル全般に対する挑戦とアンチテーゼのようにも感じられる。あるいはバンドというスタイルの活動に対しても。

そして新曲だ。主役は''ピノムック''コンビで知られる2人である。
2人は先日、グループ加入2周年を記念し、「ピノムック」名義でセルフプロデュース・ワンマンライブを行った。
その際に披露されたtipToe.楽曲でも感じられたことだが、''現体制以降''グループを引っ張る2人が主役を張る新曲たちでもまた、ピノムックワンマン同様頼もしい未来を堂々と魅せつけてくれた。
初期メンに推しがいる自分としては寂しい気持ちも否定はできないのだが、同時にこの2人の頼もしさには新たなワクワクを感じているし、グループが新たなフェーズに突入したことを確信し、現体制の残り5ヶ月の活動もますます楽しみになった。


この夏はTIF、@JAMと大型フェスへの出演も決まっており、ほどなくして訪れる10月には今回の渋谷クラブクアトロをも超える過去最大キャパシティでのワンマンライブ(会場は新オープンのVeats Shibuya)が開催される。
もはや明かりのない未来を振り払うようなステージにはいない。眩い灯りに照らされた未来への道を全速力で駆け抜けてゆく姿しか見えてこない。ただそれに、愚直に、ピュアに、ついていこうと思う。


これほどまでに良いライブを、音楽を、心ゆくまで堪能できる時間なんて、人生でどれくらいあるだろうか?そう思わずにはいられなかった。
「いや…わりとあるよ笑」なんて言う人もいるかもしれない。ていうかいる。そんな反論、億も承知の上で言っているのだ。
最高最高と誰もが折に触れ感じ口にする中で、その中でも最上の「最高中の最高、極み」を「EPIC」という単語に意味付けたシンガーがいる。
tipToe.の今回のワンマンライブは、まさに「EPIC」と、そう表現するほかない極上のステージだった。
……でもまだまだこれよりもっとすごいものが観られるって確信しちゃったから、それもどうなのかな。また新しい言葉を探せばいいか。


最後に、ライブ終了後、素直に零れた感想を書いて記事を終える。

正直な話、こんなにカッコいいライブをするグループを応援している自分が誇らしくなりました。
胸を張って「tipToe.のファンです!」と言える。好きなものがいくつあったって、当たり前のことじゃないんですこれは。
そんな幸せを噛み締めつつ、今日は眠りに就こうと思います。

 

 

 

◆セットリスト◆

 

1.The Curtain Rises(''Colorful'' ver.)
2.ハートビート
3.ソーダフロート気分 
4.ハッピーフレーバー
5.ビギナー
6.ひとりごと(''Colorful'' ver.)
MC
7.秘密
8.クリームソーダのゆううつ
Interlude I
9.茜
10.アフターグロウ
Interlude II
11.はやく夜が明けて、おはよう。が言いたい。
12.blue moon.
Interlude III
13.砂糖の夜に
14.ナイトウォーク
15.silent sign
MC
16.特別じゃない私の物語
17.かすみ草の花束を
18.夏祭りの待ち合わせ
19.Cider Aquarium
20.僕たちは息をする
21.星降る夜、君とダンスを(''Colorful'' ver.)

En.夢日和

 

※バージョン違いやInterludeの表記は筆者独自のものです。公式表記ではありませんのでご注意ください。

 

 

 

 

 

 

76 「天気の子」の感想を書く(ネタバレなし)

5ヶ月ぶりのブログになってしまった。

正直長文を書くようなことがなかっただけなのだけど、前の記事がそれなりに不穏だったので妙な感じになってしまっているかもしれない。

 

今日は休みだったのに間違えて出社してしまって、追い返されて「天気の子」。

インスタにちょろっとした感想書こうとしたらうっかり長文になってしまって、ここにも載せておくかという感じ。ブログにしてみるとそんな長文というわけでもない。

 

「天気の子」は、たった1人のわがままで世界を大きく変えてしまっても、別にいい。そんなことを、語弊を恐れず言うなら''暴力的''に描いている。

 

物語の中で「お前、どんなに気持ちが強くて綺麗でも、それをやったら肯定してやれねえよ」ということを、主人公・帆高はしてしまう。

運命に恵まれなかったとか、人生レベルで運が悪い人、とも言えるし、因果応報とも言える。人によっては強い嫌悪感を示すだろうし、クソ野郎だと罵り胸に重いものを溜めてしまう人、激昂する人、悲しくなってしまう人もいると思う。仕方ない、これはそういう話。

 

映像表現の素晴らしさは、アニメーションの世界は年々進化してて本当に凄まじいなと思う。
数え切れないほどのタイアップの功もあって現実世界の物物が怒涛の勢いで登場するんだけど、東京にいる人間なら知ってる景色ばかりだし、それをアニメーションでリアリティを追求した上で描くというのは、もうこれは、もはや新海誠はドMと言ってもいいんじゃないだろうか。。

とはいえ現実と軽率に比較されても、「よくできてるなぁ」なんて思う暇もないほど丁寧で精密だった。当たり前だけどこれは後書きの感想だからこういうことを言える。作画スタッフの探究心もまた壮絶の域。

そしてそんな表現を可能にしたからこそ、そんな壮大な美景を描き出せるからこそ、ミクロを突き詰めたエゴを物語として乗せることに意義があるのだと思う。

 

攻めたな、なんて言うのは野暮すぎる。
正直、ここまでやらないと伝わらないテーマなのかもしれない。きっとそうだ。極端なくらいやってようやくちょっと染みる。表現の、表現する側にとっての残酷ってそういうものだと思う。だからか、あるいはだからこその、最大限の力を込めての真っ向勝負。最後の最後は殴り合い。
「君の名は。」もそうだった。究極的に密度を高められた、たったひとつの願い、あるいは想い。

 

エンドロール、夥しい数のキャスト・スタッフ・企業の名前が羅列される。そのすべてがこの物語のために動いてきて、スクリーンに乗り、作品として結実する。その一点に万雷の拍手を送りたいと思うのです。たった1人のエゴの物語ために結集された総ての力に。

 

昔の職場が描かれていてハッとしました。

この作品におあつらえ向きの場所で働いてたんです。

75 自殺の止め方はわからない

やってみてわかったけど少なくとも誰かが自殺しようとしてるとき、止めることはめちゃくちゃ難しいのだとわかった。よくわかった。

当たり前のように連絡がとりあえる時代。SNSをはじめLINE、メール、なんでもある。自分の状況を伝える手段には事欠かない。自殺しそうな人ってサインを残すものだと思う。最後の最後に気付いてほしいんだと思う。

なにに気付いてほしいのか、それはその人についてのことであればなんでもいい。死のうとしてることじゃなくたっていい。そうなるまで誰にも気付いてもらえなかった寂しさの蓄積というのがまずある。だから気付いてほしくてサインを残す。

気付いてもらってどうするのかは知らない。それで満たされて本当に悔いがなくなる人もいるかもしれないし、本当は未遂で終わりたいと心の片隅で願いながら首に縄をかける人だっていると思う。少なくとも最初から「死のう!」って思って生まれてきたり生きる人はいない。
生まれたての子供が笑うのは親や他の人間の警戒心を解くためだ。仕事で帰りが遅い父親ほど赤ちゃんが笑ってくれるのは、実のところまだ父親に対して安心できていないからだという。だから出生即生存本能発動、みたいな感じ。死ぬ気ゼロにもほどがあるのが人間本来のスタイルである。

でも人間は自殺することがある。ざっくり調べたら、アフガニスタンの内戦による年間死者数と日本の年間自殺者数はほぼ同じだった。普通に殺し合いである。なんなら精神的に追い詰めて自死させるなんて悪質極まりない。そしてこれをやる側はまったく意図していない。当たり前に生きてるだけで人を追い詰める人が少なからずいる。ヒトラーが今の日本を見たらきっと応用すると思う。

自殺する人間の心理は、完全に諦観に突入している。楽しみにしていたことだとか、家族や友達や職場に迷惑をかけるとか、そういうものが一切合切「あ、もう大丈夫です」となる。取り付く島もないとはまさにこのこと。心は枯れきって、未練すら入り込む余地はなくなっている。
他人に迷惑をかけることも厭わない。「ごめんね」で終わり。他人に迷惑をかけたところで死んだら関係ないし、それが気になるような人はなんだかんだで死ねないだろう。そんなのやり切れないからだ。身辺整理のタスクは半端じゃない。神経質の程度にもよるかもしれないが。

そうなってしまった人に対して、「生きて」とか「死なないで」とか言ってもおそらく効果はそんなにない。「ごめん、無理だわ笑」って、本当にそんなノリだ。自分の場合は。たぶんその人の抱える問題に関わる人類を皆殺しにでもしないと思いとどまってはくれないだろう。

ここまで書いて、知り合いに教えてもらったとある人のブログを読んだ。その人も同じようにドアノブで首を吊ろうとしたけど、結局怖くなり疲れてしまいやめたのだという。そこに綴られていた体の感覚はだいたい同じだった。しばらく首に感覚が残る。数日経っても、なんなら消えないのかもしれない。
その人は自分に対してあまりにストイックであるように見えた。それゆえの自己嫌悪が張り詰めて自殺に向かうパターンだろうかと思った。

自分はといえば、死なないでいられるように自分を甘やかすための努力をしていたりする。自殺しないために心掛けていることがいくつもある。だから自己嫌悪ベースでの自殺は自分はたぶん生涯しないでいられる。
こちらは外的要因に精神を追い詰められていた。逃げ道を塞がれ、数少ない心の拠り所をすべて奪い取られ、死んだほうがマシな生活を強要させられそうになっていた。なによりそれをしてきたのが一番身近な家族で、完全に心の逃げ場がなかった。袋小路で潰されている風船だ。

自殺は基本孤独に行われる。目の前にいる人が死のうとしてるのを止めないのは犯罪だし、そもそもそんな建前がなくたって他人は基本的に止めてくれる。だから独りでやる。自殺を止める方法があるとすれば、めちゃくちゃ早く異常に気付いて直接対面で止める。それしかない。遠くにいながら人を救うのはほぼ無理と言っていい。絶対無理でもないが、すごく難しい。

意識が飛びそうになった瞬間、その後の世界は完全に無だと悟った。寝ている間の意識がない状態、あのまま。だから残った世界のことをなにひとつ確認する術がない。会ったら迷いなく逝ってたはずだ。家族に返したLINEが未読のままだったのと、首に縄をかけたまま受けていた恋愛相談が気が気じゃないやつだったからやめられたのかもしれない。手元のことを一通りやり終えて、あとはもう部屋を出るだけ、ってくらい片付いてたらサクッと死んでいただろうなぁと思う。

とりあえずまだなにも問題は解決していないし、自殺モードのスイッチには手がかかったままだ。感覚は掴めたから次はもう失敗しない、確実にやれる。そんな状態。
死なないために今のところできることといえば、この自殺未遂をネタにしてフィクションに近づけてしまうことくらいだろうか。残り続ける絶対的な事実だけど。