35 ここ最近自分の中でアツいアイドルを紹介する

ゆるめるモ!さんが1ヵ月もの間首都圏でライブをやらない影響で浮気し放題の一部オタク達ですが(実際の色恋的な意味での浮気もこうやって起きるんだと思います)、自分もご多分に漏れず今年入って初めてゆるめるモ!の出ないイベントに足を運びました。

初めて観るところばかりだったのでとてつもなく新鮮。最近新規開拓をしていなかったこともあり、それでいてとても良いグループばかりでとてもテンションが高いです。

本日ご紹介するのはその中でも特に輝いて見えた2組Living Dead I Dolls劇場版ゴキゲン帝国です。Twitterで散々褒め讃えたけどちゃんと書かせてください。。

■Living Dead I Dolls

運営時代に何度か対バンした方がメンバーになったというので拝見。

『さあ甦ろう』現代ゾンビアイドルユニット
Living Dead I Dolls
ラウドロックを基調とした4人組のアイドルユニット
社会に苛まれアイデンティティを見失う現代の世の中で
アイドルが生きる道を探していく物語

 現代はコピペ機能が秀逸過ぎて露骨。つらいです。
こちら公式サイトから引用。

『さあ甦ろう』っていいよなあ。
ここで真っ先に頭に浮かんだ吉井和哉「SNOW」の歌詞を引用します。

人間の魂は生きていたってさ

死んでしまうこともあるとかないとか 

 生きてても死ぬんですよ、人間。経験した人にしかわかりませんが、経験した人は少なくないはずです。
物販で販売されているデモ音源CD-Rには歌詞カードが入っていなかったのでいまひとつコンセプトを汲み取りきれていませんが、目の付けどころにエモの予感を感じさせます。

デモ音源……といっても製品としての完成度は既に高く、まだクオリティ上げるん…?という感じ。現時点でメンバーとの接触手段が「CDを買って特典券をもらう」に限られており、熱心に通うファンはライブの度にCDを手にするわけで、即ち配布を促す形に。楽曲志向アイドルとしての熱意と覚悟を感じます。


公式の記載通りラウドロックをサウンドの主軸としたアガパンサス」「I DOLL?」に加え、「Leady」「ALiVE(CD未収録)といったデスメタルナンバーも存在。
それでいてゴシックな衣装に身を包んでいるため様式的にはゴシックメタルといえるのかもしれないけど、そこはコンセプトを汲んでデスメタルとしておきたいというかもっと言えば「リバイヴ・メタル」と表現すべきなのかもしれない。


アガパンサス (LIVE) / Living Dead I Dolls


ALiVE (LIVE) / Living Dead I Dolls

そんな世界観ゆえかこの音楽性の中にジャズを織り込んでもバシッとハマったりする。動画も公開されていない未発表曲には、ヘヴィーなラウドロックからサビでメジャーコードのアイドルポップに華麗にシフトチェンジ、したかと思えば間奏でがっつりジャズをキメる…といった曲もあるし(これめちゃくちゃ好きだった)、メンバーの花桃さとみさんの生誕ライブで初披露・デモ配布が行われた新曲「it's show time!!!」になるともう全編通してジャズロック・ブギーという具合。

というか何を隠そう「it's show time!!!」については花桃さとみさん自ら作詞・作曲を手掛け、ピアノで演奏参加もしています。そもそも加入前はとみにか共和国を名乗り、作詞・作曲・編曲・プログラミング・ミックス・マスタリングまで自身ですべてこなすソロアイドル兼DJ兼音楽家として活動、さらに楽曲提供やサポートミュージシャンとしてのライブ参加もこなすという経歴を持っています。なので個人的にはアイドルというよりミュージシャン・アーティストとして見ています。(こう書くとアイドル≠アーティストみたいで嫌なんですけど、まあニュアンスとして伝わりやすいかなと…)


活動後期の作品はゆめかわ混じりのハードコアテクノを中心にエレクトロ・ポップサンバニルヴァーナを意識したロックナンバーなどわりかしジャンルレスで、かつなかなかに暴力的な音圧が特徴的でした。曲によってはアイドルでありながらトラックの音量がボーカルを上回っていたりも。


(完全自主制作、流通・配信もしていないので現在は入手困難…)


そんな彼女の音楽的なルーツはジャズだそうで、当時仕事でお会いした際に影響を受けたミュージシャンを尋ねたところ、バド・パウエルレッド・ガーランドを挙げていました。

というわけで見事に本領発揮といった具合でぶち込んだジャズナンバーは見事にグループの音楽性と融合しその世界観を拡張するに至ったのでした。

ソロバージョンの試聴音源が公開されています。実のところ歌詞が非常に内向的なのでソロ歌唱のほうが沁みるものがありますが、フルサイズは先述の生誕ライブの予約特典でのみ配布されたものなので現在入手は難しいです。

soundcloud.com

鼻歌を書き起こしてもらって作曲クレジットされてるタイプのアイドルとは違って、理論だったりスキルだったりそのジャンルのセオリーだったりをしっかり押さえていてクオリティが高いです。(まあ自分自身音楽理論とかわかる人ではないのですが、聴いてきた経験上やっぱり経験値とそれに伴うセンスがあって作れる曲だなあ、と思った次第です)ソングライターとしてもますます期待。

関係ないですがメンバーの八屋いち架さん、写真が盛れてなさすぎです笑
本物のほうが可愛かったですね~。

 

■劇場版ゴキゲン帝国

「最終未来兵器mofu」から改名して現在のグループ名に。

ブレイク中の某オタクアイドルを輩出した名門アイドルコンカフェの元人気キャストが加入したということで気になっていたのですが(その人目当てで観たんですよね実際)、「『大切なお知らせ*1という楽曲を発表しMVに推しが卒業したことがあるアイドルオタクを参加させる」「解散したグループのTシャツを着ていくとチェキが撮れる」「バスツアーでオタクにゴミをプレゼントする」「メンバーが決定した正式なあだ名を使わないことについてお詫びツイートを掲載する」「ダッチワイフに欠席メンバーの衣装を着せて写真を張り付けてサインはセルフのチェキ会を行う」など錚々たるふざけぶりがTwitterで度々目撃されていたのでなんとなく破天荒だなあとは思っていました。


【MV】劇場版ゴキゲン帝国 『大切なお知らせ』

(切ない…自分も推しが2ヵ月で卒業ライブもなしに卒業したという苦い経験があります…)

これがいざライブを観てみると、歌唱やパフォーマンスなど個々人のスキルが高いことが発覚。ちゃんとスキルを身につけている人達のふざけはそりゃあもうゴキゲンにもなるわけで、時間の関係で後半半分くらいしかライブ観れなかったもののすごく惹きこまれてしまいました。ふざけてる人達好き。

曲も「人の金で焼肉食べたい」とかエゴサしてブロック」とか、某界隈ネタらしい「ZOO」とか笑
「メタ・アイドル」とでも言いましょうか。これでなかなか曲がいいのも笑えます。


【MV】劇場版ゴキゲン帝国 『人の金で焼肉食べたい』
(わかる)


劇場版ゴキゲン帝国の現場はこんな感じです【Live】

ふざけまくってるメンバーの中でもリーダー白幡いちほさんが圧倒的で、ゆるめるモ!がレギュラー出演しているテレビ東京「ほぼほぼ」のレギュラー選抜オーディションで見事レギュラーを勝ち取ったキャラは伊達じゃなく、アイドルグループのリーダーなのに誰よりも自分がネタ担当であることを譲らない気概があり、そのスタミナ切れを知らぬテンションでフリーダム化していた物販フロアの中でも存在感を放ちまくっていたのでした。
後で調べてみたらお笑い芸人なんだそうで、客席の把握力や見せ方はさすがといったところ。彼女の存在があってこそ他のメンバーも心おきなくふざけられるんだろうなあと感じるライブでした。まさしく。逸材ですね。こういう人が直接ステージで牽引しているおふざけは強い。ふざけてるところはまあいっぱいありますが、エンターテイメントとしての芯の強さを感じるのはここくらいですね。グループ名の意味体感してわかりました。

なお、推しは九軒ひびきさんです。

 

 

以上で~す。人の金で食べる焼き肉は最高ですよねえ~

*1:アイドル運営がこのタイトルでブログやHPを更新したらメンバーの卒業や脱退、解散が告げられるという汎用呪いの言葉。同義語に「重要なお知らせ」。ポジティブな内容、例えばリリースや大きなライブの告知は「重大発表」とされ告知の告知が行われることが多い。