55 お別れ

誰にもどうにもできないことってありますよね。

知ってる人が亡くなりました。3週間ほど前になりますかね。
わかる人はわかると思うのでまぁそのつもりで読んでいてください。デリケートな話なのですごく抽象的な文章になります。果物でいうと香りを遮断した上で皮だけ見せつけるような感じです。実については会ったときにでも直接聞いてください。

そんなに何回も会ったことがあるわけじゃないです。ただ本当に良い子でした。

ご両親のご自宅にお邪魔させて頂いて、お線香をあげて、生い立ちとかいろいろ聞かせて頂きました。そのなかで知らなかったことをいくつも知って(謎が解けたようなところもあり)、実際会って持っていた印象のさらにその何倍も何十倍も優しくまじめな子で、精一杯がんばって生きて生きて''生き抜いた人''なんだとわかりました。
彼女は逝ってしまうにはあまりにも若かったけれど、讃えるべき尊い一生をやり切ったのだと心から思いました。だから声をかけてあげられるとしたら、「おつかれさま」って言ってあげたいです。よくがんばったね、と。

趣味を通じて知り合い、趣味の場で顔を合わせるくらいだったので、楽しそうにしてる顔しか記憶にはないです。思えばそれは、どんな時よりも強く生きている時の顔でした。

ああしていれば、こうしていれば、って、自分でさえも思うことがあります。それはもっと近しい人にとってはなおさらのことで、そうなるともうなにも言えないんですけど、ただ自分にできることがある、自分になら繋げる想いがある、という状況だったので、できる限りのことをさせて頂きました。果たせなかった約束があるんです。届いていたらいいな。

ご両親の優しい声と涙ぐむ言葉が忘れられません。「もういない」という事実を振り返れば何度でも深い悲しみが訪れてしまうけれど、それでも彼女は今なおご両親をはじめ沢山の人たちに愛されている存在なのだと感じています。
宗教とか思想とか、そういったものが人の素肌の気持ちにどれだけ効果があるのかわかりませんが、それでも、このたくさんの愛情が彼女の魂を安らかに包んでくれていることを願ってやみません。

……どれだけルーツを辿っても、どれだけ「もしも」を繰り返しても、おそらくどうにもならなかったことなんじゃないかと思います。すべての人がそれぞれの人生の中で愛情をもってできることをしてきた、ベストを尽くしたんだと思っています。誰にもどうにもできなかったこと。人間は神様じゃないんだ。神様じゃないけど、でも人を愛せるよ。

伝え聞くだけでも、彼女に向けられた暖かく純粋な愛情がいくつもあることがわかりました。
そのことにすごく安心しましたし、やっぱり今でも泣きそうになるんですけど、でもきっといまは暖かいところにいるんだろうなぁと信じられるんです。彼女の心はひとりぼっちじゃないとわかったから。強く想う人たちがいるのだから。いまはどうかそれを受け取って、穏やかに幸せに、笑っていてくれたらいいなと思います。

いつかまたどこかで逢おうね。
100年もしたら天国に仲間がみんな集まってるかもね笑 その頃にはお姫様もいっしょだよ。
いまはどうか、優しい花の香りに包まれて、温もりと安らぎに満たされていますように。
これで待遇悪かったら自分に罰が当たっても天界のやつらしばいておくから笑

心よりご冥福をお祈りいたします。
またね。