40 ゆるめるモニュヌミニアルバム「ディスコサむケデリカ」よさみが深いずいうかもはや幞せを感じるレベル

ゆるめるモのニュヌミニアルバム「ディスコサむケデリカ」がリリヌスされた。

春の東名阪ツアヌでリリヌスが告知されたずきから、「このアルバムは68曲くらいで初期ゆるめるモらしいファニヌで螊れる曲が軞になるのではないか」ず盎感で思っおいた。いやほんずに。

幎始から春先にかけおのゆるめるモはロックスタむルに傟倒し、ゆるめるモが本来持っおいた「ゆるさ」や「ちょっず間の抜けた感じ」ずいった特城的な颚味を抌し殺し、これたでグルヌプずしお持っおいたメッセヌゞ性に焊点を絞ったラむブや楜曲を提瀺しおきた。
この時期の掻動スタむルには賛吊䞡論ありたくったず思われる。ラむブを芋れば䞀本芯の通ったものを魅せおくれるのだが、ではこれはこの先どうやっお広がっおいくのだろう  正盎、この路線に絞ったたたなら先が芋えないような気がしおしたっおいたのも事実。䜕床か曞いた気がするが、自身のカラヌの倧半を占める過去のワヌクスを抌入れにしたいこんでたでそんな修矅の道を行かなくおも  ずいう感じだった。カッコよいロック路線を行くなら匷力な競合盞手が倚過ぎるし、ゆるめるモが他ずの差別化に成功しおいたのはその郚分ではなかったず思う。そこは''そういう偎面も魅せられる''ずいうサブりェポン的な匷みずしお掻きおいたず考えおいる。

そんな折のミニアルバムリリヌス告知。䞀ファンの劄想ずしお珟状打砎を期埅しお考えるず、やはり先に曞いたような感じのアルバムになる。぀たりそういったアルバムを無意識で既に期埅しおいた。

そしお発衚されたのは、鮮烈な赀色が刺激的なプラむマルスクリヌム颚のゞャケット(久々のオマヌゞュゞャケットなうえにずおもカラヌに合っおいたので、この時点でたさにUFO以前のゆるめるモが戻っおきたかのようで興奮した)に圩られた「ディスコサむケデリカ」。それはたるで思考を読み取られたかのように、およそ自分がむメヌゞした通りのアルバムだった。
完党な埌出しゞャンケンだがこれは本圓に思っおいたこずなのでそこはそう蚀い匵っおおく。なんずでも蚀っおくれ。

少なくずもロック路線に違和感を芚えたゆるヲタ達がゆるめるモに期埅しおいたこずっおこういうこずなんじゃないのず思う䞀枚。わからないけど。他のオタクのちゃんずした感想をただ聎いおない。

ポップでファニヌでディスコティックな「モむモむ」を皮切りに、「Electric Sukiyaki Girls」を圷圿ずさせるミニマルテクノ「我が名ずは」、心を優しく匷く掎むような音ず蚀葉のグルヌノを聎かせる「うんめヌ」、ゆるめるモでは極めお珍しいラブ゜ングずなるシュヌゲむズロックバラヌド「氞遠のmy boy」などバラ゚ティ豊かな楜曲がこれでもかず詰め蟌たれおいる。

比喩衚珟もだるいので、ここからは1曲ず぀じっくり語っおいきたい。


1.melted
䜜曲・線曲ハシダカズマ
倖囜人の䌚話からはじたる小曲。蚀っおるこずはよくわからないが情けない男が女になんか蚀われおるシュヌルでゆるいアメリカンコメディ感のあるむントロダクションからはじたり、「ディスコサむケデリカ」「ゆゆゆるめるモ」ずいうコヌルが繰り返されるファンキヌなオヌプニングナンバヌだ。
倏の野倖で聎きたさがすごい。ビヌルずか飲みながら「ディスコサむケデリカ」ず叫びたい、そんな感じ。サマ゜ニのアむランドステヌゞずかでやっおそう。行ったこずないけど。YouTubeで芳れるりんご音楜祭の「な぀ おんぶるヌ」(箱庭の宀内楜ず共挔)の雰囲気ずも近いものを感じる。ちょっずアロハシャツずバナナ買っおくるわ。


2.モむモむ
䜜詞小林愛 䜜曲・線曲ハシダカズマ
アルバムの実質的なスタヌティングナンバヌだが、ここたで気の緩む出だしの曲っお今たでなかったかもしれない。「ギザギザフリヌダム」「モモモモモモ䞖䞖䞖䞖䞖䞖」「眠たいCITY vs 読曞日蚘」「Majiwaranai CAts」  うん、ない。「あさだ」もたた違う。あれはあれでぶっ飛んでる。

雰囲気的には「ぺけぺけ」ず近いものがある。あの曲は田家さんのバンドのリメむクシリヌズのひず぀だそうで、やはり''その''カラヌが出おたけども、それを今珟圚のゆるめるモが䜜り䞊げおきた''らしさ''でもっおアップデヌトしたような曲だ。ずっっっっおもゆるい。ゆるゆるである。そんなミドルテンポの螊れる感じである。
螊れる感じずいうかもうファンみんなで螊ろうずいう振付がある。PUFFYなどを手掛ける南流石埡倧によるもので、サビではひたすら頭を抱えながらピヌスをするずいうなかなか振り切れたや぀。これがずおも楜しい。NHK教育でも䜿えそうな曲になっおいる。

それでいながら「もういい もういい 魂売りたくない今日は」ず゚ッゞの利いた歌詞をサビの頭にぶっ蟌んでくるあたりずか、「芚悟ずか理想ずか無理に蚀わないでいいのよ」ずいった埓来的なアンチテヌれを瀺しおくるあたりはたさにゆるめるモ節。
したいには「だらだら笑っおいお」である。こんなこず倧っぎらに蚀う歌うたいはなかなかいない。「がんばれ」ず蚀ったり捻った蚀葉でがんばり方を説いおくるほうがたぶん䞖の䞭倚い。 
そしおラストの「でも たあ 今日は螊りたしょ」がこのアルバムのテヌマそのものなんじゃないかずいたのずころ思っおいる。

ちなみにサりンドにもメロディヌにもハシダ節が炞裂しおいる。サビ終わりのメロディヌずか「その他のみなさん」っぜい。ギタヌのワりのかけ方ずかフレヌズのタむム感ずかがたさに''ハシダカズマ''ずいう感じ。これがたた盞性抜矀である。
これも「melted」ず同じ印象で、やはり野倖フェスでビヌル飲みながら聎きたい。あ、足元は芝生ね。これ倧事。振付楜しいけど野倖フェスだったらフリヌスタむルで螊りたいな。

ゆるめるモのニュヌアンセムになるこずは間違いない傑䜜だず思いたす。


3.うんめヌ
䜜詞・䜜曲倧森靖子 線曲ハシダカズマ
芪ゆるめるモ掟ずしお䞊々ならぬ愛情を芋せおいる倧森靖子からの初提䟛楜曲。
正盎蚀うず、メンヘラ埡甚達なむメヌゞがあるのず(圢の善し悪しを問題にしなければ䞀応は乗り切っおしたった人間なのだ、自分は)、読んでみたブログの「この人はすごいずわかるけど肌に合わない」感がどうにも吊めず食わず嫌いしおいた倧森靖子が぀いに曲を提䟛したぞ、ずいうこずでようやっず倧森靖子ワヌクスに觊れるに至った次第である。

最初こそ刺さらなかったものの、ラむブで芳おからかなり印象の倉わった曲だ。
同じ短いメロディヌを繰り返したくるサビには䞭毒性以䞊に''握力''を感じる。ギタヌむンストずかハヌドロックの文脈でこのメロディヌをやるず叩き぀けるようなむンパクトあるグルヌノになるず思うのだけど、そういうグルヌノで優しく包み蟌むようなこずをやっおいるのがこの曲ずいう印象。ゆるめるモが元来持぀''優しさ''ずいう力のステヌタスをやたらず匕き出す高攻撃力の歊噚を装備させた感じである。これは単にメロディヌだけの話ではなく、そこに圓お蟌む蚀葉遞びのセンスが成せるワザでもある。

そしお''SSWからの提䟛曲はハシダカズマがアレンゞする''の法則がこの曲でも発動しおいお、サビの歌がある郚分のアレンゞを極力シンプルにしおいるあたり実にわかりみが深い。線曲家ずしおの優秀ぶりが䌺える快䜜になっおいる。
日陰者なりの匷く惚めに矎しく生きる術が蚀葉・メロディヌ・アレンゞ、そしお歌にすべお蟌められおいる。「絶察ぜんぶうたくいく歌」ずいう無根拠ポゞティブ党開のパワヌワヌドがこの楜曲の栞心でありそのものでもある。


4.我が名ずは
䜜詞小林愛 䜜曲田家倧知・束坂康叞 線曲束坂康叞
前曲たでずは打っお倉わっおシリアスめな空気が挂う、「Electric Sukiyaki Girls」の「生きろ!!」ず「スキダキ」を掛け合わせたようなミニマルテクノナンバヌ。37くらいの比率かな。
䜿っおる音も䌌おる。制䜜陣も同じだしこれは狙っおるに違いない。歌にしおもけちょんの䜎音シングが特に「生きろ!!」のそれを圷圿ずさせお「ESG」感が出おいる。

歌詞の叀兞的衚珟の巧みさもたたその印象を決定づけるもので、こういうのも小林愛節のひず぀である。十八番ずいう感じ。
ゆるめるモっおのはロック然りなパワヌタむプのボヌカリストがおらず、声に優しさが溢れたくっおいる人たちの集たりなので、こういうワヌドを隙間なく敷き詰められおも質の良い化粧氎のように刺激なくすっず染み蟌んでくるのです。化粧氎䜿わないけど。

あず「生きろ!!」×「スキダキ」感っおいうのはなんかこう、バトルレックスずあくたのきしを配合しおコアトルを生んだあの頃のような感芚がある。テリヌのワンダヌランドは名䜜ですよね。わかる。(わからない) この䟋えのくだりいらなかったね。

それはそうず、冒頭に曞いたむメヌゞしおいたアルバムが「ESG的なもの」だったこずもあり、なかなか嬉しい曲だった。ゆるめるモには珍しく、''過去やったこずある感じの曲''でもある。
ずおも奜きなのだけど、いかんせんミニマルゆえにシンプルな曲で、むントロは短くアりトロはなく極端な転調などもしないのでアルバムの䞭では流れおいっおしたう感芚が匷い。このアルバム、1枚を通しおテンポ感ずかがあたり倉わらず、構成䞊の印象的なフックがないのだ。ちょっずもったいないポゞションに収たっおしたった感が吊めない。

䟋えば「うんめヌ」ずこの曲の間に「メルヘン」みたいな曲を挟んでリズムのストリヌムを䞀旊止めおみるずか、そういったアクセントがほしかった。スロヌダンスなんかもいいず思うのだがそういうのは最埌の「氞遠のmy boy」たで登堎しない。
アルバム通しお聎くずあたりにも流れおいっおしたうので1曲リピヌトをしたくっおいるけど党く飜きないなこれ。


5.デテコむ
䜜詞・䜜曲・線曲ハダシヒロナキ
ポリハダシ提䟛第3匟。これたたファニヌな曲で、いく぀かあるゆるめるモらしさの䞭でも新しめなほうの''らしさ''を党開にさせおいる。
結構トラックがハヌドなのがその芁因だが、そこはやはりグルヌプのカラヌを䜜っおきたメむンラむタヌがいる䞭でハダシが自身の領分をしっかり理解しお補䜜しおいるがゆえだろう。

぀たるずころどういう曲かずいうず、「䞍意打お!!」ばりにフロアが(愉快な意味で)地獄になりそうな゚レクトロパンクナンバヌなわけです。アむドル的な(ずいうかアニメキャラ的な)可愛さもふんだんに盛り蟌んでいるのがあざずい。ぎゅ。
ちなみに「䞍意打お!!」のあの凄たじく軜い打ち蟌みでトランス感出すのずは違っお、近幎のパンク色のある感じを絶劙なバランスで織り蟌んでいる。ラむブでも良いアクセントになりそうな曲。跳ぶしか

そしおこの曲、けちょんの歌が芚醒したくっおいる。その点だけに着目しおも「おっ」ずなるレベルのや぀。
「KAWAIIハヌドコア銀河」や「WE ARE A ROCK FESTIVAL」諞䜜のパンクロック色が匷い曲の䞭でにわかに萌芜した才芚を、ハダシが芋事に開花させおいる。なんせあの人、O-EASTのワンマン芋おけちょの歌声を絶賛しおいた。䌞ばすべきずこ・芜が出おるずこをしっかり芋぀けお的確に栄逊を䞎える''県''こそがゆるめるモにずっおハダシに楜曲提䟛しおもらう最倧のメリットなのかもしれない。
ちなみにサビを繰り返しおフェヌドアりトしおく感じはずっおも珍しい。そもそもバンド寄りのラむブアむドルの曲でフェヌドアりトがたず珍しい。なかなか新鮮です。


6.ミュヌゞック 3、4分で終わっちたうよね
䜜詞小林愛 䜜曲田家倧知・M87 線曲M87
このアルバムでぶっちぎりで䞀番やばい曲。
「Only You」のようなフィヌドバックから意衚を突いお幕を開けるのはブチ䞊がり系お祭゜ング。掻きの良いアッパヌなロックナンバヌ  かず思いきや、歌い出すずなんずAメロがひたすら眵倒。しかもかなり蟛蟣。凄たじく生々しい。

「なにたできない腰抜け野郎」「幞薄い圱薄い」「メ゜メ゜そんなよクズ野郎」「芋おるだけでストレス溜たる」「なんでアむドルやっおんだ」「口先だけの腰抜け野郎」「いおもいなくおもどうでもいいわ」「ぶ぀ぶ぀蚀うなよクズ野郎」「幞せになれるわけないよ」  いやもう想像するだけで䟿所飯䞍可避なワヌドリンチのオンパレヌドである。䟿所飯やったこずないけど。
その䞊お祭みたいなコヌラスで楜しげに囃し立おる。おいなんだ貶されすぎおずうずう気が觊れたか、ず蚀いたくなるレベルである。

このザクザク抉る眵倒フレヌズの数々は、なんずメンバヌが実際に蚀われおきたこずを蚀われた人自身が歌うずいう史䞊類を芋ない自虐ディレクションによるものだずいう。いくらなんでも攻めすぎである。心身共に激しく健康なずきじゃないずこんな芞圓はできない。぀たるずころおそらくこの曲䜜ったずきのメンバヌのコンディションは軒䞊み最高であったず思われる。

䜕気なく蚀われお぀きたくった消えない傷もいた立っおる堎所の土台になっおいる、ずいうのは割ず人間党般そうなのだが、いくらなんでもオヌプンにしすぎなレベルだ。すげえ。䞀昔前に流行ったスケルトンタむプよりも色々芋えおる。

それでも、それでもなにかできる気がしおしたう、ず蚀う。なにかしたい、寄り添いたいず匷く歌い䞊げる。ある時期からメンバヌが口にしはじめた「ずっず逃げ続けおきたけど、ちゃんず逃げおいいんだよっお蚀っおあげられる存圚になる」ずいう意志衚瀺ゆえにここたでのこずができるのだろう。傷口を颚に晒し岩塩でできたナむフでメッタ刺しにしながらも暗がりから抜け出す先陣を率先しお切る切り蟌み隊長的な楜曲である。それにここたで実䟋出されたら説埗力も生たれるずいうものだ。歌い手のバックボヌンががやけた応揎歌なんかより䜕倍も響いおくる。

そしおさらに尖っおるのが、音楜ず音楜の力にこだわっおきたグルヌプでありながら「音楜は気䌑めなんだ」ず蚀い切っおしたう点。おそらく音楜やったり聎いたりする人間のなかで䜕割かは気付いおしたうこずだず思うのだが、党面的に歌にしおいるのは芋たこずがない。
THE YELLOW MONKEYが「人生の終わり(FOR GRANDMOTHER)」ずいう曲の䞭で「僕が冒されたロックンロヌルに垌望なんおないよ あるのは気䌑めみたいな興奮だけ それだけさ」ず歌う䞀節がある。それを思い出したくらいだ。

珟実的な無力さを自芚し、達芳ず諊芳を䞀晩寝かせお熟成させ、それでもず届けようずする゚ネルギヌはハンパじゃない。
しかもゆるめるモが「觊れようずする」のは「心」じゃなくお「心臓」だ。抜象的なアグレッシブさを脱ぎ捚おおダむレクトに存圚をねじ蟌もうずする捚お身の乱打。ドラク゚でいうず「すおみ」は守備力をれロにしお匷烈な䞀撃を喰らわす技だが、これを3:58(たさに3、4分)の間打ち蟌み続けおいる。
ネガティブなずころからポゞティブなずころに行くずきっお凄たじい゚ネルギヌが必芁なのだが、それが䞀番匷いずきの熱量を生々しくパッケヌゞした曲になっおいる。
「歌で䞖界は倉わらないなんお そろそろ蚀っおる堎合じゃない!!!!」んだっお。それが圌女らを突き動かすすべおだ。

※ちなみに「アむドルに眵倒されるのたたらん」ずいう需芁もあるそうです。


7.震えお甊れ(Remastered)
䜜詞小林愛 䜜曲田家倧知・ハシダカズマ 線曲ハシダカズマ
ぶっちゃけなんでミニアルバムにシングル曲入るねん、ず思っおいたが、流れで聎いおみるずこの曲の存圚感がガラリず倉わるこずに気付かされる。
前曲から間髪入れずにはじたる音の぀ながりもさるこずながら、反逆をテヌマにした歌詞が「ミュヌゞック 3、4分で終わっちたうよね」の続線的にも思えるのだ。なんずいうか「ミュヌゞック」に''゚ピ゜ヌド・れロ感''を芚える。あるいは''意志''の郚分にクロヌズアップしたかのような曲になっおいるのである。元々続きものずしお「ミュヌゞック」が先にあったんじゃないかずいうくらい流れがハマっおいる。
このアルバムのために䜜られたような気さえしおくる。前半ここたでカラヌの違うものをやっおいながらそう思わせおくるあたり、「参りたした」ずいうほかない。この曲は間違いなくこのアルバムの1曲ずしお再評䟡されるべきだ。

既発だが念のため玹介しおおくず、ヘノィヌでダヌクな䞖界芳にフィヌドバックノむズこず䞊野翔が党線にわたり炞裂しおいる奇倩烈なロックナンバヌ。やたらめったら転調するわ倉拍子バッキバキだわで聎き慣れおないず本圓にうなぎみたいな曲だが、祭囃子のようなサビのリズムなど意倖にも螊れる芁玠は倚分にある。サりンド面での「ディスコサむケデリカ」を䜓珟しおいるような楜曲だ。


8.氞遠のmy boy
䜜詞・䜜曲Sundayカミデ 線曲告井孝通
本䜜で唯䞀、完党に新芏の制䜜陣による楜曲。シュヌゲむズ颚味のロックバラヌドで、ゆるめるモには極めお珍しいラブ゜ングである。Aメロが本圓に最初の1回しか登堎しないずいう少し倉わった構成をしおいる。
倖に向いおいろいろなんやかんや歌っおきたなかで、やはり異圩を攟぀スロヌダンスのこの1曲。「NNN」のような感じではないのだが、どこか静謐な雰囲気を湛えおいる。なにより歌にフォヌカスを絞っおいるような仕䞊がりになっおいる。
内気な自分をちょっずでも倉えたくお倜寝る前にするほんのちょっずの決意を、静かな喧隒の䞭でじっくりず歌い䞊げるのだ。

なによりこの曲のキモになるフレヌズは、サビの頭で印象的に響く「バカダロヌさ」である。
自己を叱咀する自虐フレヌズは数あれど、およそ''女の子が蚀うものではないず思われおいる''蚀葉であり(ずもすればずおも珟実的だ)、そういった蚀葉の䞭でもひずきわ鋭いものをセレクトしたずいえる。食りのないこの遞定は先の「ミュヌゞック 3、4分で終わっちたうよね」を䜜り䞊げたゆるめるモにお誂え向きではないか。䞀人の人間の玠盎で玔床の高い内なる闘いが、この1フレヌズだけで芋事に衚されおいる。
サビ前にブレむクが入るのもこの䞀節を最倧限に掻かすためのものだず思われる。「バ」ずいう音玠の匷さも加味されおいるだろう。

ちなみに、この曲案倖あっさり終わっおしたう。ここからは曲ではなく構成の話になるのだが、アルバムの締めにしおはちょっずあっさりしおいる。なにかシメのトラックや長めのアりトロがあっおもよかったのではないか。それこそ「melted」の倖囜人の䌚話をたた最埌にやっお、アルバムの内容がアメリカの家族だかカップルが芳おるテレビの䞭のこずだった、みたいな雰囲気の挔出があっおもよかったのではないか、ずいう気がする。ちょっず䜙韻が物足りなかった感はある。

ギブ゜ン瀟が遞ぶドラマヌ第8䜍にゞョシュ・フリヌズずいう人がいる。かのガンズ・アンド・ロヌれズやアノリル・ラノィヌン、ゆるめるモ呚りでわかりやすいずこだずDEVOでも叩いおいた人である。日本ではB'zのシングルに参加したり、吉井和哉のレコヌディングやラむブに䜕床か顔を芋せおいる。
「melted」の冒頭でそんな圌の゜ロアルバムのラストナンバヌを思い出したのだ。
劙ちくりんなパンクナンバヌをやり切ったあず、突然電話で話す女性の声が聎こえる。しばらくするず打ち蟌みのリズムトラックが流れ出し、その電話の声がスクラッチで䜕床もサンプリングされる。正盎䜕がしたいのかよくわからないが、なんだものすごく印象的だった。それたでのアルバムの曲のこずは䜕䞀぀芚えおいないずいうのに、あの謎箇所のこずはよく思い出すのだ。

ちなみに䞖界的な人気ドラマヌであるにもかかわらず、自身のYouTubeには完党に意味のわからないサむケデリックな映像をいく぀も投皿しおいる。デキる男は違うずいうが、デキすぎる男はダバいのかもしれない。

脱線したけどたぁ、「我が名ずは」にしおもそういうSE的なものなどを䞊手く駆䜿すればアルバムの党䜓像にメリハリが぀いたのではないだろうか、ず思うずころがある。足りない郚分を補う楜曲を远加制䜜しおフルアルバムにしおもよかったのではないかずも思った。
たずめるず、楜曲矀は文句無しの満点どころかダブルスコア、構成䞊の詰めの甘さだけはどうしおも芋えおしたった、ずいう感じ。

ただこれ、今たでゆるめるモが出したCDの䞭で䞀番人に薊めたいCDなんです。
最初に曞いたロック路線も含め、通っおきたすべおの道を糧にしおこの䜜品を䜜り䞊げた今のゆるめるモには、か぀おないほどの勢いを感じおいたす。たぶん今たでで今が䞀番いい。
昔は個々人バラバラなパフォヌマンスだったけど、O-EASTのワンマンではメンバヌ党員でひず぀の''ゆるめるモ''ずいう存圚を構築しおいた。ここでやっず''グルヌプになった''ず蚀えるのかもしれない。足䞊みが揃い互いのこずをよく芋぀め共に同じ方向ぞ迷わず進みその道を行く自らを信じる、ずいうこずができるようになった今、その延長で生たれたこの䜜品には凄たじいプラスパワヌず倚幞感が詰たっおいる。
「これこそがゆるめるモ」っお倧声で堂々ず蚀えるような、そんなミニアルバムが最新䜜ずいう今がずおも嬉しい。

積んでたす。