86 人体と人生のバグ

母親の抗がん剤治療がはじまった。再発。
投薬開始後しばらくは様々な副作用が出るもので、髪が抜けるというのは有名な話だと思う。初めて見ると他人事でもなかなかショッキングなものだけど、3回目なのでさすがに慣れている。が、どんな顔したらいいのかは未だによくわからない。

1週間ほど前から投薬をはじめたのだけど、2日後くらいにはもう「具合が悪いから早退する」と午後休を取っていた。しかし帰り道その足で「外食に行くぞ」と言われ、家にいた自分はそそくさと着替え付き合うことに。祖母の家に寄り、普段は1人でぼーっとしてるだけの祖母まで連れ出していた。
「ラーメンかフライドチキンを食べたい」と言う。しかし母親が明確に食べたいものがあるというのは珍しく、ケンタッキーのフライドチキンを食べたいと言うことはたまにあるものの、ラーメンを食べたいとは滅多に言わないので少し驚いた。

その後は祖母の家でくつろいでいたのだけど、その時はなかなかに元気そうだった。
とはいっても階段の昇り降りが極端に辛くなったらしく、弱々しく痩せている祖母よりもその足取りは重い。

明確に見える足腰の症状がある一方で、早退するほど具合が悪いのに帰りの道すがら外食まで行ってしまう体調と行動力の乖離(普段なら帰ってきてそのまま15,6時間は寝てしまう人)、食べたいものがやけに明確だったり普段食べないものを食べたがる感じ、身体がバグっているという表現がしっくり来る。本人からも同意された。

風邪とかではないので自分自身の経験則から話はできないし、異次元の症状が多いのでなにか言われてもなにもわからん…となってしまう。難しい。とりあえず「要求がやたら具体的」という特徴はあるので、そこはシンプルにレスポンスしていけばいいのだが。今日は「ミントタブレットがほしい」と言われた。

別居している祖母の介護を母がしている。まだ生活に不自由はしていないので、介護というより認知症にならないために積極的に会うようにしているというほうが近い。
ちなみに、祖父は自分が産まれる前に他界、父親は幼少期に離婚し母は再婚せず、祖母と同居の叔父夫婦(子供なし)は休みになると必ず祖母を家に残して出掛けてしまい、自分はといえば一人っ子で配偶者なし、ついでに視力の問題で免許取れず。先々を考えるとなかなか詰んでいる。

治療で身体がバグるのはあくまで投薬開始期の最初期くらいだったと記憶しているので長期間続くものではないけれど、数年先の未来を考えると本当に自分は何もできないまま介護に追われて何もない中年になるのではないか、といった不安がかなり明確なイメージとして脳内をよぎる。よぎるどころかパレード状態。千葉県のアレより鮮やかかもしれない。

家族の健康は大事なのだが、自分自身の未来がそこまで健康じゃなさそうで、何も持っていない自分は誰よりも器用に生きないと詰みを回避できない気がしている。(ここで言う詰みとは、身の回りのことに追われ、結果として孤独死することである)
とはいっても致命的に不器用なので、やり直せるものならどこかからやり直したい気持ちは常にある。

例えばいつからだろう。小学校2年生の頃、国語の授業で、挙手をし問題の答えを黒板に書く、という場面があった。算数だったかもしれない。その時書いたのは「時間」だ。
書いた直後にその場で教室の隅のデスク(教室に先生用のデスクがある学校だった)に呼び出され、「その漢字はまだ習ってないでしょう」と結構キツめに怒られた。
「分」という漢字を当時の自分は既に知っていて、しかしそれはまだ学校の授業では教わっていない漢字だったのである。だからどうした。俺は知ってる。クソ喰らえもいいところだ。

クソ喰らえもいいところだ、と思ってしまった当時の自分の、その根幹から直さないといけない。たぶん。もっとみんなに同調することを良しとする生き方を胎児の頃から身につけなければならなかった。
漢字を知らなければよかった、とかではない。それは知っててよかったが、それを使うことは処世術的には不正解だったということだ。
ちなみに漢字の知識が(その歳にしては)あったことで、好きだった女の子と良い感じになれたということがあった。4年間クラスが同じだったものの5年から分かれてしまい、そこまで同じだったらもう少し色々違ったかもしれないと思う、そんなアレだった。お相手のお母様からも気に入られていたし、家に呼ばれたことすらもあったのだ。あれが全盛期だった。そしてそこまでだった。とはいっても勉強はそこそこできて良かったなと思う。あくまで小学生までだが。

ちなみに先生とのその一件や、全員足並み揃えろ同じ人間になれという担任のスタンスに保護者面談で触れた母はプッツンしてしまったようで、私立中学への進学を考えはじめた。
ゲームソフトがもらえるという甘言に唆され、腕試ししてみない?と受けさせられた謎の実力テストがそこそこの成績、そしてこれが入塾テストだったのである。ちなみにゲームソフトはもらえなかった。(規定の順位に入れず)
3年生の間だけ行くのかな?と思っていたらなぜか4年になっても通わされ、4年の夏くらいにやっと「中学受験」をするのだと知る。脳味噌お花畑か自分。

みんな同じに足並み揃えて、のほうが人生はイージーモードになる。これはマジ。そして多様性を受け入れ個性を大事に!というのは欧米では当たり前かもしれないのだが、日本ではハードモードである。そうは見えないけど実は傑物、みたいな人間にならないとこっちモードの人生はかなりエグい展開が待ち受ける。

人としての幸せとは何か。ありのままでいられることか。抑圧の中で生きることか。いずれにしても感じ方ひとつでしかないのだ。だから世の中を動かす構造に絶望する頭の良い人もいれば、阿漕な搾取に気付きもせず社会の中の「えらいひと」におんぶにだっこでなんにも疑問に思わず幸せを感じて暮らす人もいる。

哲学なんざどーでもいい。学者でもあるまいし飯は食えん。
ともかく、ハードモードで取り返しもつくのかつかないのか微妙な年齢まで生きてきてしまった自分で。もうほんとどうしようって感じである。

この歳まで彼女なし。ヤバい。浮いた話のひとつやふたつ大学時代まではあったのだけど、鈍感だったのか自己肯定感が低すぎたのか、学生時代にはフラグクラッシュと思しきシチュエーションと言動の履歴が多数見受けられる。
ちなみに中高は男子校だった。女子との接触がない青春時代。小学校卒業の少し前、同じ塾にいたフランス人形をそのまま等身大サイズにして動かしたような美少女から「一緒の学校行こうよ…」と切ない声で言われた逗子駅の連絡橋が忘れられない。第一志望の男子校とその子が受かった共学にも受かっていた自分、大人たちに何を言われるか…と怯えた自分には受け入れる器量がなかった。当時の子供で携帯電話を持っている子は稀で、卒業以来会うことはなかった。
大学時代は演劇に打ち込んでいて、やたら忙しくしていた。当時はそれでやってくんだくらいに思っていて、忙しい自分に酔いまくっていた。学生らしい青春を尽く棒に振っている。いつだってリア充とウェイは糞だと思っていた。なんか学生らしい華を持った話があるかと言われると、出会ってすぐやけに懐いてきて飲み会でキスまでしてきた女に告白して「好きだけどそういうんじゃないんだよな」とフラれ、後日なぜかそのフラれた女に誘われホテルで一晩明かすことになるも意地張って何もせず朝を迎えたりといった謎ダメエピソードが2,3あるくらいで(ピュアすぎでは?)、彼女の作り方とかもう全然わかんなくなってしまったというかそもそも知らない。なんなら友達との遊び方すらもよくわからなくなってしまっている現状。

それを別に不幸なこととはもう思っていない。幸せとは感じ方次第であり、独りは独りなりの楽しい人生がある。「取り立てて不幸ではない」という「幸福」は今、間違いなくこの手の中にある。なによりではないか。
一方で、兄弟もいないので自分が生涯独身なら末代になるし(万が一その手の人の恨みを買っても祟りを恐れる心配はなくなる)、子供はほしいし、子供を授かれれば自分が親にされて嫌だったことなどの反省を踏まえてしっかり幸せな人生を歩ませてあげたいと思う。褒めて、肯定して、話をちゃんと聞いてあげて、普段からポジティブをしっかり貯金して生きられる、そんな風に育ててあげたい。そんなことは常々思っている。

そんな未来は来るものだろうか、例えば母が祖母にしてあげているようなことを、自分は母にできるだろうか。難しい気がする。まず運転できないし。
やがて自分に介護が必要になってきたとき、一体どうしたらいいのだろうか。希望の光が少しくらいは残っていないと、いつか人生を諦めてしまいそうだ。怖いけど怖くない。絶対的な拒否の感情はない。

三途の川を自分から進んで渡りかけたことがある。寸前までいって初めてわかったことだが、死んだら何もない。ゼロですらなくなる。寝てる間はほとんど意識がないけど、あのまま意識が戻らないという、それだけのことだ。悲しさも後悔もなにひとつ残らない、消滅するだけだ。多くの人はおそらく、なぜか死んだあとに感情が残るという前提で死について話している気がするのだが、自分の中でその可能性は消えた。死んだら消滅だ。ただそれだけ。ちなみに幽霊ってのは生前の記憶を繰り返しているだけらしい。おったまげ。


生きているのは生きているからだ、としか言えない。生きていても死んでも別にどちらでもいいのだが、死ぬ理由がないし、死ぬのってすごく大変だから、わざわざやる理由がない。吐くほど嫌いな食べ物をあえて食べるやつがどこにいるんだ、ってのと同じ話。
ただ、このまま何も変わらないままだと、いつ人生を諦めてリタイアしてしまってもおかしくないな、と、長期的な目線では思っている。思っているけど、なんとなくずるずると緩慢に、生き続けてしまうんだろうなとは思う。たぶん人の寿命が20~30年くらいしかなかったら、自殺者の数ってとんでもないことになるんじゃなかろうか。平均寿命80歳くらいなのは社会的動物であるがゆえの、ある種の防衛本能なのかもしれない。

 

こんなことを日々考えて暮らしている。5兆円ほしいな。あったらもう少しいろいろできる気がする。

85 家と配信と砂浜カメ(いじめちゃダメ)

この状況下で有観客ライブを先んじて再開して続けているグループもいれば、配信ライブを積極的にやっているグループもいる。足踏み状態のところもある。どこも砂漠の中で1匹のノミ(それも砂の色や動物、他の虫の体色に擬態し、活発に動き回り、地中に潜る)を探すような状況だとは思う。
Twitterで、久々の有観客ライブに集まっているオタクを見ると取り残された気分になるし、ハッシュタグで実況され続ける配信ライブも観なかったら観なかったでそうなるのだろう。一応ホームスピーカーあるから大音量で配信ライブ観れるけど、ライブハウスのそれとは体験の質が違いすぎて、払った分の対価を得ているとは(平時と比較して)とてもじゃないけど思えない。

もちろん推しを支えたいという気持ちもあるし、配信ライブも自分なりに楽しんでいるけど、「浦島太郎にならないために金使ってる」感が100のうち51以上あることはどうにも否めない自分がいる。
でも昔から「周りと話を合わせるための努力」に潜んだ虚しさがどうにも気持ち良くなくて好きじゃないし、こんな現状は正直やってられないのだ。
一体いつまであきらめを前提にした経済活動をしなきゃいけないんだろう。無理にしなくてもいいのだけど。SNS依存的なところもあるし。

自粛期間(定義が謎)に入ってから、映画、演劇、ライブに1回ずつだけ行った。
映画と演劇には何も問題を感じなかった。大笑いをするような喜劇でもないし、観客が集中して観るタイプのものだったからかもしれない。
ライブがちょっと問題だった。どこかで言ったかもしれないが、最初こそ「コール&レスポンスをするので応えないで下さい!」とクレバーな煽り方をする演者がいて感心したものの、次のちょいとやんちゃな演者が「共犯者になりましょうよ」なんて言って声出しを煽ったところ、乗ってしまった観客が数名いた。その次の演者ではコールまで密かに起こる始末。自分の前にいた白髪の老爺はコールこそしなかったものの、MCでは大声で笑っていた。
「感染防止の対策を一生懸命しなきゃいけないのに!!!!ばかっ!!!!!」というよりは、全然問題ないと思ってる人も警戒してる人もいる、不安だけど応援したいからとか、どうしても生で観たいからとか、対策万全なら安心なんじゃないかとか、色んな考え持った人がいる中で、自分以外に対する想像力が欠けすぎじゃないのか、と思ったのだ。
ライブハウス側は充分すぎるくらい徹底的に感染対策を施していた。注意事項の周知も行っていた。まぁ諸注意を話半分に聞いてる奴なんてどんな集団の中にも半分近くはいるのだが。
要は集団みんなで99%安心できなきゃ何事もやってらんないと思っている。ちなみに1%は想定外の事故。風邪が移る程度の話ならともかく、コロナに関しては怖い話も多い。自分は専門家じゃないので、データを精査したところで過去の感染症の事例を詳しく知らないし、未来を予測しうるだけの医学・生物学・感染症学その他もろもろの学問の知識がない。故に結論を出せない、が結論だ。
先日の山手線で実施されたクラスターフェスにしたってそう。主義主張ごときで人は安心しない。あの人たちはどれだけ専門的な知識を有しているのだろうか。たまたま手元に流れてきた情報をどこまで自身で精査している?独善的すぎて吐き気がした。


最近はダイエットをずっとしている。キツめのトレーニングをしていると自然と糖質いらないやみたいな気分になってくるので、今までとは真逆で意図的に糖質を摂るようにしている。
体は引き締まってきたけど、脳筋化しているというか、文章力とか語彙力とか、それ以上にそれを創出する体力なんかが落ちてきているように感じる。
少し前に書き始めた小説は、まだ載せていない部分で世界観が肥大化しすぎてしまってなかなか続きを書けていない。

やることがあるのは良いことなのかだるいことなのか。
在宅研修の資料が家に届いたけど、勝手にやってレポート送れみたいな感じでやる気が蜃気楼のオアシスだし、やりたいことの期日にも追われているけど頭がなかなか動いてくれない。
減収は給付金で賄えないレベルで、緊急小口資金の貸付も返済を考えると及び腰になる。

前澤社長が1億円くれたら心配の種はあらかた消し飛ぶのだろうが、近所のコンビニまで買い物に行く道中、いきなり空から落ちてくるマシュマロをキャッチできるくらいの確率なのだろうなぁ。ファンタジーじゃん。

84 最近の詩作

ひまわり|ぶるーれい @rayblues_ #note https://note.com/blu_01d/n/n0fbc0355b553

 

今年の目標として「作品群」を作ろうとしています。

詩作というのはここ15年くらいのライフワークなんだけど、楽器とかDTMとか壊滅的にできないため音楽にしたりはできない。ので、歌詞風の、しかしただの詩でしかない。ゆえの後ろめたさみたいなものがある。ただそんなのは文芸においてはきっとなんの関係もないつまらない憂事なのだろうな…

そんな中で、文章を褒めて下さる作家の方から「作品を作ったほうがいい」と言われたことがあって、実際自分でも思うところには何かしら作っておきたいというのがあったし、なので自分なりにアイデアを膨らませてその製作をここ何ヶ月か続けている。

今までは何か書けたらすぐnoteに載せていたけど、今はずっと表に出さずに書き溜めているものものがあって、たまに「これは!」ってなったらnoteに出してる感じです。アルバム制作中にその中から先行シングルをカットするような。あるいはその作品群に入らないデッドストック的なものも出してる。

 

ここ最近は「こういうのが書いてみたかった!」って構成だとか質感のものに積極的に挑んでいて、そしてしっかり書けている感覚があって、本当にちょっとずつできなかったことができていってる気がします。

冒頭に載せたのはその一番新しいやつで、これはなんていうか、上手く説明できないんだけど「これを書けてよかった…!」と思っているやつです。心に意志を彫れたぞ、みたいな。たぶん自分が音楽家でソロアルバムとか作ってたら一番最後に収録するしリード曲にする。

 

誰かにウケようと思って書いたものはないし、「自分がよくできた!」と思ったものだけ世に晒していきます。

「何か形にする」ということが何より大切だと思うのです。

それでも読んだ人の中に何かが生まれたとしたら、それは幸せなことなのかもしれません。勝手にやってることなので。それでも人の心に動きを生んだとしたら、それはとんでもないことなので。

83 tipToe. LIVE TOUR ''SCHOOL TRIP 2019'' at 札幌cube garden クイックレポート

11月23日、tipToe.現体制最後となる全国ツアーの札幌公演が行われた。

ツアーも折り返しとなり、暦も間もなく最後の月に差し掛かろうとしている。

昨日までの首都圏の寒さとは打って変わって、北海道とはいえ寒いなりにも過ごしやすい気候となった本日、札幌の街の一角を熱くしたエモーショナルなライブの一部始終を書き留めた。

 

客電が落ちると、しっとりと響いてきたのはピアノの音色。「僕たちは息をする」のAメロのピアノフレーズのみが静かに繰り返され、徐々にバンドサウンドが加わり、さながら「Before The Curtain Rises」の「僕たちは息をする」バージョンのオープニングSEでメンバーが登場。
最北の地で1曲目から惜しみない熱量をぶつけると、2曲目には初期の隠れた人気曲「ビギナー」が続く。
後にして思えば「僕たちは息をする」はオープニング&メインテーマ、「ビギナー」はシーン1だろう。今回のセットリストは昼から夕、夜に向かっていくtipToe.王道ストーリー系セトリの新作だ。

曲終わりのフォーメーションを崩さないままに入った成瀬ゆゆかによるカウントに歓声が上がり、一転可愛さが染み渡る「ないしょとーく」へ。さらに「秘密」のメロディーラインをなぞるインタールードのピアノソロを添えてビッグバンド風の「秘密」を披露。序盤からフロアを大いに沸き立たせた。

 

この日最初のMCでは自己紹介に続き、普段MCをすることが少ない成瀬・三原・都塚の3人が「なんか喋ってて!」と他メンバーの水分補給のためにトークをすることに。
三原海は序盤の曲で靴が片方脱げてしまい、ステップが肝心な「秘密」のためにもう片方も脱いでパフォーマンスしていたことを告白。とっさの判断で窮地を乗り切ったことを明かした。

 

おもむろに舞台袖から白or黒の円筒形の椅子を持ち出すメンバーたち。
一同椅子に腰かけて落ち着いた雰囲気ではじまったのは、エクストラシングルとしてリリースされた「slow'n'Drip」収録バージョンの「クリームソーダのゆううつ」「かすみ草の花束」の2曲だ。
いずれもアンプラグド・バンドアレンジで、歌割りも普段とは異なる。特別な機会にしか披露されることのない2曲に心地好く聴き入った。

 

続く「アフターグロウ」の冒頭では、歌い出しから感極まってしまった日野あみが声を詰まらせてしまう場面も。そこをシームレスに歌い繋いだのは他でもない椋本真叶で、ピノムックコンビとして親しまれる二人の絆を強く感じさせる。最後のパートでも花咲なつみが日野にいつも以上に寄り添い、楽曲の世界観と相俟って今のtipToe.がこの6人であることの尊さに胸が熱くなった。

 

「アフターグロウ」とは逆順で披露されることが多い名曲「茜」の切なさ溢れる情感で夕方の世界が締め括られると、渋谷クアトロワンマンでも使用された秒針の音が印象的なSEが流れる。都塚寧々によるリーディング楽曲「砂糖の夜に」は「ナイトウォーク」へと続き、優しい夜の世界にフロアが包まれた。


「信号が青に変わるよ」と暖かな闇が訪れたフロアは、うねり狂うようなオリエンタルなピアノリフが印象的な次曲「僕らの青」によって一変。サビでは三原海のパワフルなハイトーンが曲をリードし、楽曲に渦巻く激情が洪水のように叩きつけられた。tipToe.のセンチメンタルサイドの極北とも言える衝撃的な楽曲で、1曲で瞬く間に空間を支配した。

「アフターグロウ」に続く「茜」、「ナイトウォーク」に続く「僕らの青」など、決して綺麗には終わってくれないストーリーの展開は、さながら青春の過渡期に滲むブルースを生々しく描き出しているかのようだ。

 

夕暮れから陽が沈み、夜の世界を巡ったところでこの日2度目のMCが入る。

メンバーはライブ前に到着したばかりで、まだ観光ができていないそう。そんな中でも既に日野あみは近場で味噌ラーメンを食べたといい、聖地巡礼をファンに勧めた。
観光は明日の楽しみにしているそうで、日野・三原は朝からご当地のラーメンを食べに行く予定とのこと。Twitterでのお土産話にも期待できそうだ。

 

1st full album「magic hour」において、ロック&センチメンタルの二大巨頭を「僕たちは息をする」と共に担う人気曲「ハートビート」から終盤戦がスタート。これまでの夜に至る物語を背負って力強いパフォーマンスが繰り広げられた。
畳み掛ける「Cider Aquarium」で踊らせると、インタールードなしでノンストップで続く「星降る夜、君とダンスを」でオーディエンスの熱量をピークに導く。最後まで間髪入れずに音を鳴らし続けた「特別じゃない私たちの物語」で有終の美を飾った。

 

専用の特別なSEと共にオープニングに選曲された「僕たちは息をする」は、時間を示すフレーズが繰り返し登場する楽曲だ。
「手元の明かりと午前3時」という歌い出し、物語は深夜とも明け方ともつかない時間から描かれる。
夕闇が近づいても変わらず惰性が続く時間、日々。
「時間だけ進んでく いつか追いつければいいのにな」と唄う主人公に不意に起こった物語が、次曲以降のすべてなのではないだろうか。

綺麗な涙を零す心の呼吸と、美談になどしたくもない憂鬱を繰り返し辿り着いた結末は、惰性の回旋に連なる深夜でもましてや明け方でもない、言うなれば新しい夜明けの鮮烈な決意の言葉だった。

 

「踏み出そう 新しい世界」

 

tipToe. LIVE TOUR
''SCHOOL TRIP 2019''
2019.11.23 at 札幌cube garden

SET LIST

1.SE(僕たちは息をする)
2.僕たちは息をする
3.ビギナー
4.ないしょとーく
5.Interlude(秘密)
6.秘密
7.クリームソーダのゆううつ -unplugged-
8.かすみ草の花束を -unplugged-
9.アフターグロウ
10.茜
11.Interlude(砂糖の夜に)
12.砂糖の夜に
13.ナイトウォーク
14.僕らの青
15.ハートビート
16.Cider Aquarium
17.星降る夜、君とダンスを
18.特別じゃない私たちの物語

En.夢日和

 

82 今日の奇跡に愛を抱いたらセツナシンドローム - tipToe.×nuance「dubrise」レポート

tipToe.とnuanceによる最初で最後のツーマンライブ、「dubrise」が昨日11/6に渋谷Gladにて行われました。
nuanceは以前にも「triprise」というスリーマンを行っており、これは各演者が1曲ずつ入れ替わってパフォーマンスを行い、さながら3組でワンマンを行うような特別な企画ライブでした。
今回はtipToe.とのツーマンで、さらに両グループのプロデューサーがそれぞれプロデュースした「honma step/fujisaki step」の二部制で実施。
各プロデューサーの個性が爆発する惜しみない演出の数々と共にtipToe.とnuanceのメンバーが交互に楽曲を披露し、時にはコラボレーションも行い、後にも先にも観ることができないツーマンライブの極北的名演となりました。

覚え書きにはなりますが、各パート・曲ごとのレポートをお届けします。
行けた方はそれぞれが感じた瞬間を思い返すその一助になれば、行けなかった方はそれとなく雰囲気を感じ取ってもらえればと思います。


honma step

1.SE
時計の針が進む音、そして波の音と雑踏。ヌュとのツーマンということで海沿いの街を思わせる。舞台はきっと横浜。桟橋から臨む薄曇りの空。

2.ナイトウォーク / tipToe.
SEが流れるなか登場したメンバーは久々の夜編衣装で、早々にフロアから歓喜の声が沸き起こる。書いてる人は夜編衣装にとても思い入れがあり大好きなのでめちゃくちゃ嬉しかった。
しっとりとした曲からスタートという珍しいパターン。最後につみちゃんが後ろを向かず、前を向いたまま曲が終了。つみちゃんが後ろを向かずに終わるナイトウォーク、というだけでもはや今日のライブが普通じゃないことがよくわかる。

3.SE
再び波音と雑踏。つみちゃん以外のメンバーが先に退場し、最後につみちゃんが退場する。

4.白昼ブランコ / nuance
SEが流れたままイントロが流れだし、ヌュのメンバーが登場。両グループの落ち着いた曲を並べる形になった。

5.SE
白昼ブランコのアウトロが途中でブツブツ途切れるなどノイジーなテイストになり、次第に音色が変わっていきソーダフロート気分へ繋がるアレンジ。

6.ソーダフロート気分 / tipToe.
白昼ブランコから徐々に踊らせていくモードへ。次がセツナシンドロームで、時間をかけてゆっくり熱を上げていくストーリー感のあるサウンド展開。
ちなみに書いてる人は元々………のオタクで、初めてヌュを観たのが………とtipが出たフェヌュVol.1だったのでとってもエモい気持ちになった。

7.SE
8.セツナシンドローム / nuance
短めのSEからセツナシンドロームへ。
「今日の奇跡に愛を抱いたらセツナシンドローム」という歌詞が、最後のツーマンであったこの日のために歌われているような気がして、骨の髄まで沁み渡るほどこの歌詞を噛み締めていた。

9.Cider Aquarium / tipToe.
10.sanzan / nuance
セツナシンドロームからノンストップでCider Aquariumへ。アウトロで輪になって踊る振付の中央にヌュのメンバーが入り、さながら神秘的な儀式のようなフォーメーションから誰もが期待したsanzanへのノンストップ繋ぎ。スタンバイの時点で歓声が巻き起こるレベル。
ピノムックワンマンでまなかちゃん発案により大好評を博したメドレーの再現に歓喜の雄叫びがフロア中に轟き、sanzanではピノムックワンマン当時を思わせる壮絶に熱烈なコールが飛び交う。

11.秘密 / tipToe.
繋ぎはなく、ステージ上のメンバーが入れ替わってからスタート。アウトロでヌュメンバーが入場。
12.タイムマジックロンリー / nuance
ノンストップ。繋ぎでやる時に毎度毎度前曲からあまりにも自然な流れで振付に突入する冒頭の振付にはtipメンバーも参加し、この日最初のプチコラボレーション。その後tipメンバーは退場

13.Interlude / カニカマピノムック
退場するヌュメンバーの中からわかちゃんとみおちゃんだけが残り、そこにまなかちゃんとあみちゃんが登場。一聴して次の曲がわかるムーグメインのSEをカニカマピノムック*1でパフォーマンス。この部分の振り付けはまなかちゃんが担当!そしてtipメンバーも登場してやはり…

14.星降る夜、君とダンスを / tipToe.
文句なしの大団円。tipメンバーが退場し、繋ぎの
SEなどもなく、これで終わり……と見せかけて、再度ヌュのメンバーが登場。

15.wish / nuance
本当に最後の最後に来たのがこの曲。最高潮に達したフロア、シンプルな暖色系一本、オレンジ色の灯りが照らすステージ。
最後に歌われたこの曲に込められた願いをひしひしと感じ、胸が熱くなる。
究極的にエモい。書いてる人はこれで泣きました。

曲の終わりと共に再び時計の音が聴こえ、終了。
客席の明点と共に本間さんへ向けた大きな拍手が沸き起こりました。

 

fujisaki step

1.town / nuance
このトラックがSEとして流れる中でtipメンバーが椅子を持って登場。実際は2曲目以降のためにセッティングしただけだったものの、もはや何が起こってもおかしくないライブになっているだけに大歓声。
リーディングトラックである本曲の最後の「town」だけがカットされて代わりに……

2.ないしょとーく / tipToe.
ゆゆちゃんのカウントが入りスタート。ヌュの登場SEでtipのターンからはじめるスペシャル感。
ラジオ体操的な振付で寧々ちゃんが「パッパッパ」と口ずさんでいたのが可愛かった。

3.Love chocolate? / nuance
ノンストップでラブチョコへ。本間さんパートになかった可愛い系の路線で冒頭を固める。

4.The Curtain Rises / tipToe.
5.i=envY / nuance
一転してカッコよくアゲていく選曲へ。ノンストップで繋がれたこの2曲に赤い照明がよく映える。
i=envYのアウトロではtipメンバーも入場し、コラボパフォーマンスを披露。最後の音に合わせて見覚えのあるフォーメーションになり、驚声が上がる。

6.茜 / tipToe.
さらにノンストップで突入した茜は、歌い出しで紫と黄の照明が激しく明滅し、ともすればサイケデリック。このライティングが鍵で、前2曲でフロアに産まれた熱量をこの曲の激情になだれこませるという神業。

いつも以上に激しく感情が渦巻く茜に、書いてる人は思わず初めてのフリコピをした。
曲の終わりでヌュメンバーが入場し、ステージ後方に捌けてある椅子の上にそのまま立つ。

7.cosmo / nuance
これまたノンストップでcosmoへ。ステージ後方に椅子立ちのヌュメンバーと、ステージのツラに並ぶtipメンバーで三度のコラボパフォーマンス。
「君の存在そのものがcosmo!」までやってtipメンバーは退場。椅子が前に出てくる。
最後のパートでみおちゃんのテンションの振り切れが歌声に乗り、misakiさんもそこに引っ張られてハイになってたのが印象的。

8.blue moon. / tipToe.
完全に音が止まりヌュのメンバーが退場すると、ステージに現れたのは三原海ただ一人。
冒頭のソロパフォーマンスは最序盤こそ茜の冒頭のようなライティングだったが、次第に白と青の交差する2本の照明だけのシンプルなものへ。さながら真っ暗な部屋の窓から差し込む蒼い月光のような灯りに照らされた海ちゃんの顔が印象的。
ソロパート終わりに他メンバーも入場。そして早々にフロアがざわついたのが、まさかの生歌での披露だったこと。
ボーカルに多様なエフェクトをかけている都合もあり、tipToe.では通常この曲のみアテフリで、歌う素振りこそあれどダンスパフォーマンスに専念する曲だったために驚嘆の視線が一斉にステージに注がれる。
確実にマイクを通したものだとわかる声、生声だからこそ生まれる声の''ゆらぎ''、聴こえ方が異なるコーラスワーク。
実は音源準備の際の手違いで発生した事故だったらしいが、とはいえ結果として素晴らしいパフォーマンスを観ることができた。生歌ゆえに響き、伝わってくる情緒が確実にある。
これまで歌ってこなかったからこその荒削り感はあれど、生声で歌われることの良さが確実に出ており、願わくば今後このまま生歌にしてラストライブに向けて仕上げていってほしいところ。
書いてる人は初現場がblue moon.初披露のライブ*2でblue moon.に衝撃を受けてライブに通いだしたため、嬉しさと興奮で心臓が口から飛び出してどこかに行ってしまいました。

9.雨粒 / nuance
blue moon.から間髪入れずに昨日披露した新曲を再び。イントロからサビ前まではヌュらしい感じであるものの、サビで轟音ギターと共にエモ&ラウドな感じに展開するパワーのある楽曲。イントロ~サビ前が独特なリズムなのもあり、サビからギターが激しく入ってくるなどサウンドの展開的にはゆるめるモ!のさよならばかちゃんに似ていて、体感的にはヌュ版ばかちゃんという感じがする。ヌュアンス・パワースタイル、な名曲。

10.夢日和 / tipToe.
blue moon.からは最後までノンストップなのだが、まさかすぎるタイミングで登板したのが夢日和。
tip本体のライブでは一番最後かごく稀に一番最初になることがほとんどで、盛り上がりどころの中盤にその一部として持ってくるというのは本間さんが絶対にやらなさそうな構成。茜の前後もだが、普段のライブでは決して観れないtip曲の表情を引き出す演出が多かった。

11.ヒューマナイズド・ヒューマノイド / nuance
12.僕たちは息をする / tipToe.
夢日和からのヒューマナイズド・ヒューマノイドでガンガン上げていく。
ノンストップで繋いだ僕たちは息をするではイントロの冒頭の円を描くように移動していく振付にヌュメンバーが参加しながら移動のタイミングで徐々に捌けていくという、振付を巧みに利用した退場手法でプチコラボ。

13.ミライサーカス / nuance × tipToe.
最後の最後でフルサイズコラボレーションが実現!
tipメンバー全員が椅子を持って登場。tipメンバーについては基本は座ったまま体を揺らし、歌う時は椅子の上に立つというスタイル。
「私はミライサーカスの○○です~」の8小節×2人分を1A2Aそれぞれで行うAメロのパートをtipメンバー分伸ばし、1A2Aで3人ずつに振り分けるという形式。
具体的には1Aがmisaki→つみ→ねね→うみ→じゅり、2Aがわか→まなか→あみ→ゆゆ→みお。ヌュメンバーの本来のパートでtipメンバーを挟む形で、tipメンバーについては出席番号順。
さらに○○には割り当てられているtipアニマルが入る。(つみちゃんなら「私はミライサーカスのひよこです」など)
tipメンバーはMCに代えて歌に合わせて1人ずつコメントをするような感じ。海ちゃんが「にゃ~お!」と猫いコール&レスポンスでフロアを沸かせていたり(煽りキャラがよく似合っていた)、あみちゃんが「ミライサーカスが大好きなので私が座長になってもいいですか??」と期待を裏切らないマイクパフォーマンスを魅せつけるなど個々人の色が出ていた。
tipアニマルを組み込むアイデアは天才的だし、そういえば曲中に出てこなかった座長というポジションに狙いを定めるあみちゃんもまた天才的という、凄まじい光景。
全員で一緒に最後まで歌い踊り、最高のコラボレーションライブは幕を閉じる。そして記念撮影。


En.謝罪
鳴り止まないアンコールに応えて再び登場した10人。
「せーの!」
「「「「「ごめんなさい!!!!!」」」」」
やれる曲がないのでアンコールはなし。
裏で両Pが「もうやることねえよ!」と言っていたとかなんとか。笑


本間さんパートはtipとヌュの曲を繋ぐためだけの専用SEをいくつも準備し、この日のためだけにあらゆる武器を取り揃えて臨んだ真っ向勝負の総力戦。王道スタイルの最高峰。
藤崎さんパートは、ある1曲をやることでフロアがどうなるかを完全に把握した上で、そこで生まれた熱を次の曲に持ち込ませ今までになかった質感の熱量を生み出す、というスタイルを感覚レベルでやっているような天才的な演出。

どちらも互いのグループへの深く厚い愛情がないと実現し得ない演出・パフォーマンスの数々。
フロアもまたほぼ全員がtipToe.とnuanceのどちらも大好きなのがよくわかる熱くも暖かい空気感で、両グループにファンクラブがあって、合同でFC限定ライブやったらこういう雰囲気になるんじゃないかな?という情熱的ハートフルな空間でした。

あまりにも素晴らしいライブで、幸せが溢れすぎて会場出たらその場で心臓麻痺起こして死ぬんじゃないかと思いました。幸せすぎて死にそうとはこのことか!満たされすぎて余韻が明けた翌日になっても残っています。
Gladにいる間はもういまこの場で死んでも何も文句は言えないしこれが人生最後に観たライブならなんの悔いもない!と思いましたが、出たら出たでどっこい生きてました。そしてまだ死んでられねえ!となる情報が。

 

ライブの直後、特典会の準備を待つあいだにtipToe.の公式Twitterアカウントより、12/4に現体制最後のリリースとなる3rdフルアルバム「timetrip」の発売決定告知、そして現体制ラストライブとなる1/11の公演がZepp DiverCityで行われることが発表されました。
アルバムには7月の渋谷クアトロワンマン以降に披露された新曲5曲に未披露の新曲2曲を加えた7曲を収録。リリースイベントにも期待です。

Zepp DiverCityはキャパ約2,500、ぶっちぎりでグループ史上最大規模のワンマンライブ。これまでの最高が渋谷クアトロの800キャパなので、ゆうに3倍以上。しかし遜色ない、現体制の締め括りに相応しい会場だと思います。
ちなみにこの会場、海ちゃんが昔ドリンクスタッフとしてバイトしている時に当時のTIFでマナーの悪いオタクに注意したところ「このブス!」と言われ、その後TIFのステージに立つ側になったという話が今年のTIFの際にバズっていましたが、ついにこの会場でワンマンライブをするアイドルにまでなりました。エモくて泣きそうです。すごいよ。

nuanceとのツーマンも対バンもこれが最後にはなってしまいましたが、12/15にはどちらのグループもツアーで大阪にてワンマンライブを行うことが決まっています。ヌュが昼、tipが夜なので回せます。もう一度言います。回せます。実質ツーマン。これは行くしかない。

tipToe.のファンとしては残された時間を埋めるものが今回の発表で鮮明になったようで、センチメンタルが爆裂しつつも最後まで全力で突っ走ろうと決意を新たにした所存です。最後まで楽しむぞー!

 

SET LIST

- honma step -

1.SE
2.ナイトウォーク / tipToe.
3.SE
4.白昼ブランコ / nuance
5.SE
6.ソーダフロート気分 / tipToe.
7.SE
8.セツナシンドローム / nuance
9.Cider Aquarium / tipToe.
10.sanzan / nuance
11.秘密 / tipToe.
12.タイムマジックロンリー / nuance
13.Interlude / カニカマピノムック
14.星降る夜、君とダンスを / tipToe.
15.wish / nuance


-fujisaki step-

1.town / nuance
2.ないしょとーく / tipToe.
3.Love chocolate? / nuance
4.The Curtain Rises / tipToe.
5.i=envY / nuance
6.茜 / tipToe.
7.cosmo / nuance
8.blue moon. / tipToe.
9.雨粒 / nuance
10.夢日和 / tipToe.
11.ヒューマナイズド・ヒューマノイド / nuance
12.僕たちは息をする / tipToe.
13.ミライサーカス / nuance × tipToe.

*1:椋本真叶、日野あみ、わか、みお、からなるユニット。7月のピノムック2周年記念ワンマンではカニカマピノムックとして互いのグループの曲を披露した。

*2:1st CONSEPT ONEMAN 「blue moon rising」。夜編衣装もこの日に初披露。

81 とりとめもなく雑文というか吐き出すモ

3人のライブを観たって実感は沸かないと思う。
「今日は休みなんだな」って思ってしまうはず。
でもあのちゃんが休みの3人ライブは「戻ってくる前提」だけど、これからの3人は、「このまま頑張らなきゃいけない3人」だ。

 

これまでの4人は、同じ顔ぶれで2015年の夏の間にも4人体制として活動していた。もねちゃんとちーちゃんが活動休止をしたためだ。メンバーもオタクも「2人が帰る場所を守ろう」という意識が強かったと思う。
でも2016年の7月以降、「もう2人が戻ることのない、4人体制」になった。

 

2015年夏と2016年7月以降では、顔ぶれは同じでも全く違うグループという感覚だった。
おそらくこれからのゆるめるモ!現場で味わう感覚はこれに恐ろしく近いものではないかと思っている。

 

直後のインタビューは放心状態そのものだった。
それ以降、4人でのスタイルを模索する新たなフェーズに突入することになる。
この3年間で試行錯誤を繰り返しながら、なんとかして4人でのスタイルを作り上げてくれた。ここ1年くらい、本当に良いライブばかりする。

 

しかしその道程には、度重なる路線変更に戸惑う往年のファンたちの姿もあった。メディア露出は徐々に増え、新規獲得にも成功していたが、ファン層には埋めがたい溝が生まれていた。
フロアにどれだけ新顔が増えても、そのぶんだけ減っていく顔があった。自分もわりとその1人なのかもしれないけれど。

 

コールまとめだなんだとやり出したのは、その溝を埋めて、欲を言えばかつてのファン層も取り戻し、今まで以上のステージに立ってもらいたいという気持ちがあった。
東阪Zeppはどちらもソールドしなかったとはいえ、東京以外のZeppでもある程度埋まったのをひとつの成果と取るべきか否か。東京のZeppでさえ1度もソールドさせられていないグループだが。関西はとても熱い。

 

一方で、こちらのモチベーションを後目に素っ頓狂でポンコツなことばかりやらかす運営の手際の悪さに、自分がなんとかしてやろうとしたことが結構な勢いで空回りしてる感は否めなかった。モチベを上げようとしてもメンバーのモチベが低いのが手に取るようにわかって萎えたりもした。
もっとも自分のやっていることは熱量こそ否定しないが独善的極まりないものだったりする。それでも声を上げて喜んでくれる人のため、と思ってやっている部分があるのは確かだが。

 

最後の日、あのちゃんが引用したスキヤキの歌詞が、結局すべてだったのではないか。言われて気付いたがなるほどそうか、という感じ。ある意味では求めていたものは同じなのかもしれない。
そしてたぶん自分自身、天井がすぐそこまで見えている現状を見て見ないふりしてきたのかもしれない。

 

こういう結果にはなったけど、ぴゅーぴるモ!の企画に踏み切った運営の英断については賞賛したい部分がある。それまで大きく変える勇気を示してこなかったのが、ついに重い腰を上げたという印象を受けた。前に進むために起こす行動なら推して見守るしかない。行動する者達に水を差す野暮な人間ではいけないと思う。

信じるのを辞められないのが吉と出るのか凶にもならない結果に終わるのか。自分にはわからない。

 

たとえ推しが辞めても現場には行くと思う。ゆるめるモ!という旗印を信じてここまで来ているのだから。

やめてほしいとは毛ほども思わないけどね。やめたところでしふぉん主義なのは変わらんけどさ。

 

失ってはじめて気付くような莫迦はもうこれっきりにしてほしい。アソブロック各位。
言いようのない、由来の知れない涙が沸き出すのを感じている。正直言うと今回の件ではずっと涙を堪えてる。あのっ子の話を聞くたびに胸が詰まって言葉を失っていく。

泣くのは自分じゃないと言い聞かせて。

80 ぴゅーぴるモ!(ゆるめるモ!研修生)について詳しく書きます。※2019.10.3追記

去る9/25、ゆるめるモ!研修生「ぴゅーぴるモ!」のお披露目イベントが行われました。

内容は、やけにハイテンションな田家さんがメンバーを一人一人紹介しトークを行うというもので、ライブこそなかったものの、一部のメンバーを除き歌声も聴くことができました。終演後には初の囲みチェキ会も行われ、メンバーとの初グリーティングも実現。この日撮りに行った人は紛れもなく最古参と言えるでしょう。

なぴちゃんやさささにも突っ込まれていましたが、田家さんがノリで進めていたためメンバーごとの時間配分もバラバラで、非常にルースな雰囲気でのメンバーお披露目となりましたが、結果として非常に楽しいイベントとなりました。

今回のブログではそんな研修生「ぴゅーぴるモ!」を紹介できればと思います。

長らく新メンバーを入れてこなかったゆるめるモ!の新メンバー候補生ということで*1、グループの発展に希望を見る方や、現メンバーの卒業の可能性を考えてしまう方、他の誰かに入ってほしくないと複雑な気持ちを抱える方もいると思います。

そんなあらゆる気持ちを抱えたすべての方に、とりあえず読んでみてほしいこのブログです。「ぴゅーぴるモ!」はつまり、「ゆるめるモ!の未来」そのものでもあるのです。

 

ぴゅーぴるモ!とは

元々は「ゆるめるモ!と一緒に世界を驚かせたい人」を募集する「サプライザー」という企画において、「メンバーになりたい!」という要望が殺到したために別途新メンバー応募枠を開設、その中から応募総数約1,200人という狭き門をくぐり抜け、「研修生」として選抜されたのが「ぴゅーぴるモ!」です。

 

「ぴゅーぴる=pupil」は「生徒」「弟子」といった意味の英単語で、さながら「弟子めるモ!」といったところでしょう。しかも「音楽家の弟子」というニュアンスを持つため、まさに楽曲派グループの筆頭としてシーンに多大な影響を与えてきたゆるめるモ!の研修生グループに相応しい名称と言えます。

今後どういった形で選ばれるかは不明ですが、この中から何人かがゆるめるモ!の新メンバーとして加入する可能性があります。(もちろん誰も加入しない可能性も)

 

昨年個人的に実施した田家さんとのトークイベントにて、メンバーの選考基準について田家さんは「変な煙が出ている感じの人」と語っていましたが、1,200人の中から選び抜かれたメンバーはさすがに一筋縄ではいかない個性を持った、それでいてとても可愛らしい子達が集まりました。

それでは、先日お披露目されたそのメンバーを紹介していきたいと思います。

 

ュンバミ

まる

f:id:rayblues:20190926092825j:image

誕生日:1月27日
血液型:A
趣味:アニメ、漫画を見ること
長所短所:短所…コミュ障なとこ
好きな食べ物:チョコ、甘いもの
好きな言葉:自由
好きなアーティスト:ゆるめるモ!
あなたがゆるまる瞬間は?:寝てるとき

アニメや漫画のオタク。黒執事や鬼滅の刃が好き。
小柄で鼻筋が高く、性格はとてもシャイですが、くしゃっとした笑顔がとてつもなく可愛いらしい。こういう笑顔にオタクは弱い。守ってあげたくなる。既に一部女ヲタからの熱烈なコールが起こっていました。
見かけによらず大人っぽい歌声の持ち主。披露してくれた「残酷な天使のテーゼ」が歌声によく合っていました。

公式プロフィールにもある通り、今回のメンバーの中で唯一ゆるめるモ!好きを公言しての研修生加入となりました。普通にゆるヲタトークを楽しむのもいいかも?
歌唱曲:高橋洋子「残酷な天使のテーゼ」

 

ひぃ

f:id:rayblues:20190926092856j:image

誕生日:7月8日
血液型:A
趣味:音楽、お笑い、ギター、動画・画像加工、ゲーム、読書
長所短所:好きなことに真っ直ぐ/落ち込みやすい
好きな食べ物:お寿司、ラーメン
好きな言葉:またね
好きなアーティスト:スピッツ、キュウソ、エレカシ、KEYTALK、KingGnu、sumika、OKAMOTO'S、ハンブレッダーズ、Billie Eilish
あなたがゆるまる瞬間は?:家で音楽聴いてるときとコントとか漫才みてるとき

初っ端から「ぴぃ」と運営に誤植されてしまった子。
とても内気ながら、みんな裏で泣きそうになっていたという楽屋で、自己紹介のトップバッターに名乗りを上げるほどの気概の持ち主。
お笑い好きで、小学生の頃はクラスの「お笑い係」を務め、「Zカップ」というコンビを組み、頭の全面にひょっとこのお面をつけて阿修羅的なことをするなどとても愉快な存在だったようです。最近はジャルジャル、中川家らが出演するお笑いライブを横浜まで観に行ったとか。

バンド・お笑い好きということで現メンバーとの親和性がありそうな予感がします。
とてつもなく緊張していたものの、殻を破るとすごく頼もしいメンバーに成長しそうです。
歌唱曲:ブルーハーツ「情熱の薔薇」

 

しろみ

f:id:rayblues:20190926092915j:image

誕生日:6月28日
血液型:O
趣味:純喫茶・古本屋巡り、コンピュータ筐体鑑賞、爬虫類の飼育、昼寝
好きな食べ物:ジビエ料理
あなたがゆるまる瞬間は?:実家に帰省したとき

海外文学などを嗜み、楽屋でも1人本を読んでいたそうです。当日所持していたのはゲーテ「ファウスト」。そしてプロフィールにもありますが「コンピュータ筐体鑑賞」という小一時間お話を聞きたくなる不思議な趣味も…

大人びた顔立ち&知的なスタイルでこれまでのモ!にはいなかったタイプ。お披露目時はもう少し髪が伸びて外ハネカールがエレガントでした。絶対私服がおしゃれ。
受け答えがすごくしっかりしていて、研修生メンバーの中で最もお姉さん感があります。あのちゃんが話している時にふと彼女のほうを見てみたらものすごく真剣な顔つきで、傾聴姿勢にも好感が持てました。ちなみに食べ物や趣味などに偏愛の気があるそうです。
歌唱力がハンパないしっかり者。歌唱力担当が長らく不在だったゆるめるモ!にとって、今後大きな変化をもたらしてくれそうな子です。

この日披露してくれた「Yesterday」のアカペラは、これを聴けただけでも行った甲斐があった!と思うほど。発音も素晴らしいです。この歌声があって初めてできるようになる曲が必ずあるので、大いに期待していいと思います。個人的には「もっとも美しいもの」「スキヤキ」での歌唱が楽しみ。
歌唱曲:The Beatles「Yesterday」※アカペラ

 

うる
f:id:rayblues:20190926092936j:image

誕生日:5月26日
血液型:AB
好きな食べ物:コンビニスイーツ
好きな言葉:もちもち

生まれてからずっと変人と言われ続け、オーディションでも審査員に「変人」と書かれたのが見えたため、落ちたと思ったそうです。変人ぶりは田家さんのお墨付き。言われすぎてもう「勝手に言ってろ」という感じだそう。
「興味を持てることがない」とSNSもしなければテレビも見ず、なにもせず部屋にいることが多いとのこと。お披露目前日はなにもせずベッドにいるだけで終わったとか。
バイト先のお客さんの珍しい名前を自分のLINEユーザー名にしているなど不思議な言動が特徴的。歌はライブでのお楽しみということで当日の披露はありませんでした。
「うるちゃん」と呼んでほしいそう。あとチェキに来るときは穏やかな顔で来てほしいそうです。
歌唱曲:なし

 

ねるん
f:id:rayblues:20190926093002j:image

誕生日:4月4日
血液型:A型
好きな食べ物:マヨ、ピートロ、辛いの、ポテト
好きな言葉:おやすみなさい〜、はなまる満点
あなたがゆるまる瞬間は?:美容師さんにシャンプーしてもらっている瞬間

楽屋でも常に変な動きをしていて落ち着きがなく、また言っていることが2秒で矛盾したりとなにかと忙しい子。緊張しているのかあまり多くは語らずも、田家さんに「我が強い」「高倉健のように物言わず語るタイプ」であり、ぶつかられても動じないような気の強さがあると評されていました。
当日は白いリボンをつけていたのが印象的。ビジュアルは特段個性的というわけでもないながら、とても可愛いです。部活では「レベルの低いダンス」とバレーボールをゆる~くしていたそう。
ガッチガチではあったものの芯の強さが感じられたので、今後どんなパフォーマンスを見せてくれるのかが楽しみな1人です。

歌唱曲:なし

 

なき

f:id:rayblues:20190926093026j:image

誕生日:8月31日
血液型:O型っぽいって言われる
趣味:ゲーム実況を見ること。ゲームすること睡眠。
長所短所:げんき/うるさい
好きな食べ物:お肉
好きな言葉:なんか
好きなアーティスト:ハロー!プロジェクトさん
あなたがゆるまる瞬間は?:寝る体制に入った時 歌ってる時

アーティスト写真でもわかる通り弾けるような笑顔が印象的。喜びを素直にストレートに表現するので見ていて気持ちがいいです。当日は髪をおろして長めのボブでした。

ハロヲタ。アンジュルムが好きで、お披露目の前にライブに行ってきたそうです。
オタクが悪ノリで「なになに~?」と言いがち。*2 これについては「なんでもないです!」とのこと。自己紹介がすぐ作れそう。
道で歌ったり踊ったりしているところや牛丼屋のメニューを見ようとして踏み台昇降運動みたいになってしまったところをバイト先の店長に目撃されて言いふらされるなど、いくつかのネタエピソードを備えています。
質問をすると一言一言バシッと返ってくる、頼りがいがありそうな感じの子です。初音ミク曲のハイトーンもいける歌声を持ち、即戦力として期待できそうな逸材でした。
歌唱曲:石風呂「ゆるふわ樹海ガール」

 

???

実はもう1人メンバーがいるのですが、現在受験中とのこと。運営陣からの「今は受験に専念するように」との指示があり、遅れて合流するそうです。

ぴゅーぴるモ!は彼女(?)*3を含めて計7人となります。

 

Twitterアカウントは?

公式アカウント(@pplm_staff)が開設されています。

メンバー個別アカウントについてですが、レッツポコポコ*4の結成時と同様*5、一定期間は作成しないものと考えられます。

レッポコの場合は研修期間修了時にメンバー個別アカウントが開設されましたが、それと同時に活動を辞退するメンバーの卒業も発表され、また最終公演もないままの脱退となったため、非常にダメージが大きかったです。*6

このあたりは運営さん、なんとかしてください……という気持ち。個別アカウントあったほうが応援のモチベも上がりそうですが、いかがでしょうか?声が大きく上がれば実現するかも…?

 

今後について/筆者の気持ち的なもの

土日をメインにライブ活動を行っていくそうです。
10/4にはゆるめるモ!7周年記念イベントのオープニングアクトとしてライブデビュー、10/25には初の単独公演を開催予定とのこと。

 

ゆるめるモ!については今年結成7周年を迎え、唯一のオリジナルメンバーであるけちょん以外のメンバーについては加入6周年を既に迎えており、ステージ経験がないという研修生メンバーとは経験値の差が歴然です。(MCでの声量差からもそれは感じ取れました)
姉妹グループではなく本家ゆるめるモ!の研修生ということで、加入を目指すにあたりその経験値の差は並々ならぬ努力で埋めていかなければなりません。それにはやはり、研修生が「ぴゅーぴるモ!」という独立した名を冠しながらも、「ゆるめるモ!」と共にステージに立ち、対バンという形ではなく一緒にパフォーマンスをすることが必要不可欠だと思います。
一般的に、能力に差がある者同士が一緒に仕事をすると、レベルが低い方の能力が高い方に引き上げられると言われています。経験値の差を少しでも埋め、これからのゆるめるモ!を現メンバーの4人と作っていくためには、人間関係の構築も含めて共に切磋琢磨する経験がなにより必要ではないでしょうか。

既に今のメンバーが持たない魅力を発揮している研修生メンバーもいます。同じステージに立たせることで、ステージはより華やかになりファン目線では新鮮なライブを楽しめ、また研修生メンバーにとっては実際にゆるめるモ!に加入した時にぶつかる壁や見える景色がよりリアルに感じられることでしょう。

 

ぴゅーぴるモ!は、長年現状からのブレイクスルーを待ち続ける歯がゆい状況にいると言わざるを得ないゆるめるモ!を変える大きな転機になると考えています。
大きな変化というのは往々にして相応のストレスや時に痛みすらも伴うことがありますが、それを乗り越えて、今まで以上に大きな夢を見せてくれる新生「ゆるめるモ!」になってくれることを願って止みません。もちろん、現メンバーは全員残った上で。

正直、逸材揃いだと思っています。全員がゆるめるモ!に加入することはできないと思いますが、全員に対して大いに期待をしています。
彼女らが今の4人と共にゆるめるモ!の未来を作ってくれる存在であることは間違いありません。ともすれば、そんな研修生メンバーたちを盛り上げ、応援する。それこそがゆるめるモ!の将来に懸ける、ということになるのではないでしょうか。
種々様々、多様な想いや考えがあるとは思いますが、時期や歴は違えど、これまでのゆるめるモ!を応援し続けてきた同じ一ファンとして、彼女らを支え、グループの未来を応援してもらえたら嬉しいです。自分はめちゃくちゃ応援します。

 

追記(2019.10.3)

9月30日付けであのちゃんの脱退が発表されました。

種々様々な想いが各人にあると思います。それはファンにとっても、メンバーにとっても、研修生のみんなにとっても。1人では抱えきれない想いを誰もが消化しきれないまま過ごしていることと思います。それほどまでに彼女の存在は大きかった。

 

「今のゆるめるモ!」は「あのちゃんが遺してくれたもの」のひとつです。もちろん、旧メンバーであるのんちゃん、ゆみこーん、ざらす、もねちゃん、ちーちゃんが遺してくれたものでもあります。*7 彼女らがゆるめるモ!を作り上げてきてくれたことには感謝の念しかありません。

そして今、あのちゃんに対して自分が持ち合わせている想いは「ありがとう」という、ただ一言に尽きます。推しではないとはいえ、重ねた時間の分だけ思い出があります。ここまで来てくれたことを純粋な気持ちで讃え、見せてくれた景色に、与えてくれた想いに、深い感謝を抱き、影ながらその新しい旅路の栄光を願うのみです。

私が出来ること 行く道をみながら

飾りない君の背中押すことだけ そうだね

「Refresh Your Jewellery Box」

 

あのちゃんがグループを去った今、これからを作っていくのは残る3人と、ぴゅーぴるモ!のメンバーたちです。

自分はやはり、応援したい、応援してあげてほしい、と思うのです。もちろん、今回の件についてはどんな気持ちも否定されるべきではありません。あくまで一個人の意見として、ゆるめるモ!というグループを諦められない一ファンの意見として、これまでのメンバーが作ってきてくれたものを、これからのメンバーと共に守り、盛り上げ、今まで辿り着けなかったステージに手が届く未来を信じて、支えられたらなと思うのです。

 

残る3人についても、また誰かが辞めてもおかしくない状況にあることは否めない部分があります。大きな迷いと葛藤の中で、身を切るような想いで、まずは10月1日から一歩ずつ前に進もうとしているのだと思います。研修生メンバーにしてもそれは同じ部分があるのかもしれません。

それぞれに人生があり、離れることで自らの成長を選ぶ、というのもひとつの正解です。悲しい気持ちとはまた別に、尊重されるべき人生の選択なのです。各各の人生がより豊かで幸福なものになることを祈っています。

 

それでも残ってゆるめるモ!を続けてくれるメンバーがいるのなら、自分にできることは、この先の獣道を往く彼女らの道筋を信じて応援してゆく、それだけなのだと思っています。

 

「辛い時は逃げてもいい」

 

自分を大切にしてほしい、というメッセージを結成以来一貫して伝え続けているのがゆるめるモ!というグループです。凝り固まった頭と心と社会が不幸をのさばらせる世界をゆるめるために、誰もが生きていられるように、時には「破壊」という手段からの再構築を提唱してきたのがゆるめるモ!なのです。その思想に深い共感を覚えたのが自分にとってのはじまりでした。

このメッセージが広く世の中に浸透してくれたらいい、そのためにもっと売れてほしい。そう思い続けながらも、現実は歯がゆいことばかりで、舵を取る運営の航海力のなさにも、わざわざ泥舟を海に浮かべる頼り甲斐のなさにも、何度嫌気が差したかわかりません。メンバーのメンタリティだってプロとしてまだまだ一人前とは言えない部分が少なからずあります。ゆるめるモ!を構築する組織全体の未熟さが招いた「今」がここにある現実です。

 

それでも、ゆるめるモ!は諦めていない。前に進むための行動を起こし続けている。

大嵐からはじまる7周年。たどたどしくも撒き続けている希望の種の行く末に、まだまだ期待してみたいのだと、自分の心はそう言っているようなのです。

(じゃあ)傷を背負って道無き道を行く

(じゃあ)傷を背負って道無き道を行く

(じゃあ)傷を背負って道無き道を行く

(じゃあ)傷を背負って道無き道を行く

「ぺけぺけ」

 

*1:メンバー募集は実に6年ぶり。しふぉん、ようなぴ、あのらが加入して以降は卒業で人数が減るのみで、補充を一切行ってきませんでした。

*2:ガチ恋口上の合間に挟むにぎやかし。

*3:ぴゅーぴるモ!の募集要綱では、年齢・性別不問だそうです。

*4:ゆるめるモ!の妹分グループ。2018年解散。

*5:結成から3ヶ月は全メンバーが研修期間でした。

*6:推しが長文コメントひとつ残しさよならもできないままいなくなりました…

*7:先代水色のいっちーに関しては過去メンバーで唯一スペシャルサンクスに名前が載っておらず、あまり良い辞め方をしていなさそうなのでこの中に含めていいのかは判断に迷います。