48 コラージュは誰のものでもない

同級生はみんな死ねって思ってた
自分を仲間はずれにしたから
机に突っ伏してずっと寝ていた
ダボダボの服だけが味方だった

カッコつくスタイルもしてないし
髪を染めようとか思わない
髪型とかセットもよくわからないし
ファッションなんてからっきし

ワールドカップはテレビで観るけど
サッカーのことはよく知らないし
下ネタは嫌いじゃないけどついてけない
恋愛観に意見なんて持てません

心配してくれる大人にはなにも言えなかった

こんな自分に誰が愛向けんの
本当は誰も嫌いじゃない
考え込んで沼になるベッド
夜深くは泥を飲まされるタイム

好きなものにすがっていけば
居場所があるって思ったんだ
みんなが夢中でシェアし続けてる
そこはなんとも素敵だった

暗い気持ちで閉じこもるように
愛したものなど中途半端
夢を叩きのめされた挙句
同級生を見つけて逃げた

どこにも居場所がないと目隠ししながら言った

根気よく誰かが叱ってくれて
なんかキリのいいタイミングで
いろいろ卒業できるなんて
漫画の読みすぎ そんなムシのいいこと
あるはずなかった そりゃそうだ

死にたくない 死ねるわけない 痛いのやだ
死にたい いますぐ死にたい 安楽死でよろ
楽に死ねる方法 検索 実行 めんどくさい 寝る

やけに静かで落ち着いた朝に起きる
一通り忙しさが済んだ町は
とっくにのどかに朝をやってる
今日はもういいや もうちょっと寝よう

誰にも気にされない 学費のことは責められる
信じてるなんて言葉で放置プレイは楽でいいね

きっとなにかがすり減りきるまで
わからないこともあるんだろうな
知ってる人がいないところで
同級生のマネをした くじけて死んだ

このままでいいと思ってるわけがない
人並み以下でも今よりマシになりたい
何度も何度も死んで逃げて死んで逃げて
生き返るたびちょっとは上手くなった

傷つけた人にはもう会えない
傷つけてきた人をもう恨まない
誰より時間がかかったとしても
ハッピーエンドじゃなきゃ自分に悪いじゃない

バイバイ、ありがとう、さようなら
今よりよかった過去なんてないんだ
常に常にもっとマシにもっとマシに
人になって人になって人になって人になるんだ

自分なんかより幸せにしたい君に会えるまで
分けてあげられるくらい幸せな顔になるんだ
きっといま願ってるすべてが叶わなくても
それでいいって思えるような未来が来るって
信じて 誠実に 成るように生きていくしかない