90 けちょしほ卒業に宛てて「私へ」の替え歌を書いた話(蛇足)

替詞の中で言いたいことはぜんぶ言ってるんで、この文章はほぼほぼ蛇足です。

が、まぁ書いておきたくて。

 

しちょんの卒業発表後最初のライブ(町田)の翌朝、様々な思いが闇雲に溢れては交錯する中、なにぬねるん?の現場に向かう電車で衝動的に書きはじめたのが「あなたへ」です。

ほぼほぼフルコーラス、30分くらいで一気に書いてひと息ついたところで、書いたはいいけどこれどうしようか、なるべく多くの人と何かをやる種にしたいなと考えたところ、少し前にまつりちゃんのバースデーソングをおもしろ楽しくやっていたゆるヲタ軽音部の存在を思い出し、すぐに連絡を取りました。

企画を持ち込むなり二つ返事でホイホイと企画が進みだし、それからずっと歌詞の完成を目指して言葉を探したり一旦離れてみたり、じっくり育てる日々がはじまりました。

最終的に一旦これで!というところまで仕上がったのが9月も中旬に差し掛かろうという頃。
最後に軽音部メンバーで意見を交わしつつブラッシュアップし、9/11に完成しました。およそ2ヶ月。


今にして思えば、2人の卒業についてはもっとずっと前から勘づいていた節があるように思います。ついにその時が来たか、という感じで。
胸に込み上げる熱いものもありつつ、それでも受け入れ冷静でいられる自分も確実にそこにいました。

 

そんな中でスクロールするタイムラインには、様々な時代に彼女らと出会った人たちの深く熱い想いが怒涛のように流れていきます。
「あなたへ」には、そこで目の当たりにした種々様々な熱気あふるる光景を、なるべく言葉にして載せていきました。

ゆるめるモ!を終わらせてはいけない」
その使命感は度々本人たちの口から言葉になっていましたし、その強靭な意志についてはファンであれば誰もが知るところだと思います。
ゆるめるモ!と出会い、そのコンセプトに共感し、この国に必要なグループだと感じて応援しはじめた自分もそこに大いに共鳴しています。

ゆるめるモ!にはその10年弱の歴史の中で、現役も含め15人ものメンバーが存在したことになります。(研修生「ぴゅーぴるモ!」も含めると倍近くになります)
キャリアの長いメンバーの卒業が発表される度に「ゆるめるモ!終わった」と何度も言われてきたのを知っています。
続けることを選んでも、その道が決して生易しいものではなかったことも知っています。正直、見ていて辛い時期もあれば、気持ちが離れた時期もありました。

外を見れば、数多のアイドルグループが産声を上げては消えていきました。やむを得ない事情で消えていったグループ、活動に満足して店仕舞いをしたグループ、最初から決めていたゴールまで駆け抜けたグループ、色々あります。
アイドルオタクをやっていれば誰でも多かれ少なかれ理解していることとは思いますが、永遠に続くものなどありません。ましてやライブアイドルの寿命なんて5年にも満たないのです。それゆえにひときわ強く輝くものがある、そういうものだとも思います。

それでも、ゆるめるモ!は終わらずに続いています。

それがどれほど有り難いことか。

ゆるめるモ!というグループは、「救ってあげたい」と言いながら自分たちもそもそもは「救われる側」に立っていた人たちだと思っています。
だからこそ上っ面ではない気持ちを歌えるし、こと「私へ」という曲については、彼女らが自分たちに向けても歌える曲だからこそ、唯一無二のアンセム足りえるのです。

「あなたへ」は8~9年という生半可ではない月日を支え続けてくれた2人の功績を、僭越ながら、このアンセムに準えて出来うる限りの幅と言葉を尽くし称賛する、精一杯の表彰状のようなものです。

これからもゆるめるモ!は続いていくのでしょう。
昨日のZeppでの5人を観てそこは安心して信じられるなと思いました。

初めてゆるめるモ!に出会ったときの6人は、これで全員いなくなります。
それでも新しくメンバーとして加わり、これからを引っ張っていくことになる5人のことは、「ゆるめるモ!」のメンバーとしてとても信頼を置ける、実に頼もしい存在だなと心から思っています。
終わらせずにこれからも続けてくれる立派な後継者だと一ファン目線ながら確信しています。

だからこそ終わったとか言われるの本当に嫌で、いや今も最高だしこれからもそうなるし、って思うんです。見てねーだろお前って。
だからそういう気持ちをぶつけたパートもあります。みんなそう思っててほしいなっていうのもあるし。

2人のやってきたことはなくならないんです。そしてこれからに受け継がれていくんです。
ものの3、4分で終わっちまう歌に救われた瞬間、それは自体ほんの一瞬のできごとに過ぎませんが、そこからその命が何年延びたことか!
わからないですよ。わからないですけどそこでゆるめるモ!に出会ってなかったら生きてなかった人たちがきっといっぱいいます。
人間の魂は、たとえ体が生きていたって死んでしまうことがあるんです。
かつて出会っていまはもうゆるめるモ!に全然興味ない人だって、いまどこかで元気で生きているなら、それはゆるめるモ!とそのメンバーの功績だと言っても過言ではないはずです。

そんな気持ちで書かせていただきました。

オリジナルの歌詞はご存知、小林愛さん。
敬愛する作詞家である愛さんの歌詞で替え歌を作るだなんて(ファン活動としての二次創作的なものであるとはいえ)これほどまでに畏れ多いこともないのですが、愛さんに(そしてもちろん歌い手であるメンバー各位にも)顔向けできないような詞にだけは絶対するまいとこの2ヶ月、持っていた魂がスッカラカンになるまで気合い入れてやらせていただきました。

そして、自分の担当は替え歌の作詞だけですが、制作にあたり「ここにガヤを入れたい」とか「ここはサンプリングにしたい」とか色々わがままを言わせてもらいました。

それまで1度も軽音部に参加したことがなかった身であるにもかかわらず、不躾に持ち込んだ企画を快く受け入れ、そして真摯に取り組んでくださった軽音部のでぃーさんとちゅんさん、そしてありったけ思いの丈を認めたこの替詞を歌ってくださったボーカル参加のみなさま、本当にありがとうございました。

2人の卒業の餞に、そしてこれから進む道を仄かにでも照らす一かけらの勇気になってくれたら言うことはありません。

改めて、しほ、けちょ、卒業おめでとう。
今まで本当にありがとう。お疲れ様でした。